#1 ホテル暮らしの日記:始まり

今月からホテル暮らしを始めました。

全国各地をうろちょろします。

この行動に至ったのはなぜなのか、自分でもよくわかっていないのです。姉は「家族はもう弟の行動についていけない」と言っていたらしいですが、それは当然のことです。私自身もついていけてないのですから。

ただ一つわかるのは、今回の行動には「諦め」の気配がかなり含まれているということだけです。

昨年の11月、私は以前いた会社の系列でマーケティングのインターンシップをしていました。マーケティングというと響きはいいですが、その実態は「やりがい搾取」だったわけです。

仕事が厳しいという理由だけでこんなことは言いません。

新人に対する無視が多く、部署間のコミュニケーションも少なく、業務は丸投げ、資料作成の際にはフォントや表のミリ単位のズレまで指摘され、そこに2〜3時間かかる、3年続けている先輩が私と同じ作業をしている。そして何より雰囲気が悪かった。各々が周りの人全員を蔑視しているような空気がそこにはありました。クライアントやビジネスパートナーへの悪口や、新たに面接しにきた学生を論破した自慢話。何の疑問も文句も持たないガッツのあるやつが欲しいとか。それはガッツなのかという議論は置いといて。

まあとにかく嫌いだったわけです。それで体を壊し始めました。

食欲減退、慢性的な目・腹・頭の痛み、オフィスに近寄ると息が苦しくなり、自分がとことん無力に思えました。20代に突入して苦悩することは多々ありましたが、この時は圧倒的な絶望感がありました。

なぜなら昨年はコロナ元年で、計画がとことんうまくいかなかった年でもあるからです。興味のあったデータ分析の仕事に就くために、プログラミングと統計学を学習、家に閉じこもって約10ヶ月くらいは勉強に明け暮れていました。ちょっと盛った、9ヶ月とかかも。

しかしリモートによる新人教育の難しさや、採用数の減少などで職はなかなか得られず、辛うじて採用していただけたのが先述のマーケティングインターン。9ヶ月かかって得た環境が、前よりもひどい状況だったことで私はとことん自信と未来に対する希望を失ったのです。

しかしそんな下らない状況でも、私を救ったものがありました。

「散歩」です。

散歩は私のパワーの源でした。駅〜オフィス・オフィス〜駅を、毎日違うルートで歩きました。毎日が未知(道)との遭遇。

こぢんまりしたカフェ、おしゃれなマンション、小さく流れる川、知らない草、「この道、ここに繋がってたんだ〜」など。

そういった未知との繋がりが私の心を潤わせ、生気を与え、1日を乗り越えさせてくれたのです。

ふと振り返ると、私は辛い時いつも歩いていました。内定がない状態で大学を卒業して間もないある日、思いつきで30kmほど歩いたこともありました。散歩は私にとって、アイデンティティの親友なのです。

なぜそこまで散歩が好きなのか考えました。答えは単純。「私の好奇心を満たしてくれる」これに尽きます。散歩の途中、目まぐるしく景色が通り過ぎていきます。ほっそい道があったらそこを通ります、たとえ目的地から遠ざかっても。結果なんて伴わなくてもいいんです、気になることを放っておかない限り。

そこで私は「この散歩の規模をもっとでかくしたらきっと楽しいな」と、多分そう思ったのでしょう。

今の生活は実に刺激的で楽しさに満ちています。幸せかはわかりませんが、毎日楽しいです。また日記書きます。それでは。

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