名玉はただ眺めても美しい
レンズなので写りはどうでもというわけにはいきませんが、名玉になるための要素としてはやはりその形状、デザインはとても重要です。
事実古今の名レンズはどれを見ても格好いいとぼくは思います。道具とは言えカメラにつけたときのバランスや美しさは、そのレンズが長く愛用されるための必須の条件だと思います。
今回のへリアーが手元の届いたとき、すぐに見比べてみたいと思ったレンズがあります、Thambar 90mm f2.2です。これもブラックペイントのレンズですが、鏡胴に光る銀色のメッキとしっとりしたペイントの黒が絶妙の味わいです。
その横にヘリアーを置いて並べると、ほぼ85年という時間を隔てて生まれた2本のレンズが、実にマッチしてまるで同じファミリーのようにも見えるのです。