男酒日記 87日目「ナマポとタクシー」

飲んだあと、混雑した通勤電車に揺られるのは興醒めだ。だからよく中央ライナーに乗ったものだ。
窓辺に缶ビールやつまみを並べて、高尾まで小一時間の二次会。その後、自宅で三次会。そして翌朝、二日酔いで起き上がれない…
断酒してからは、混雑する通勤電車で本を読みながら帰宅し、それからジョギングするようになった。1日が3倍になったような気分だ。
さて、生活保護の審査官をやっている友人の話で印象深かったのが「受給者はタクシーをよく使う」というもの。
生活保護を受けていながら、タクシー利用はないだろう、とたいていの勤労者は思うことだろう。私も同感だ。
だが、一部の受給者は筋金入りの面倒くさがりで、また浪費癖が激しい。いくら説諭しても馬耳東風。行動が改まることはないと彼は嘆く。
だが思えば、飲んで中央ライナーで帰宅する我々もそれと変わらない。
飲んだら、せめて通勤電車で帰ろう。分際をわきまえて行動しないと帳尻が合わなくなる。中央ライナーは疲れた勤労者に譲ろう。
おもしろいもので、頑張れば頑張るほどるほど頑張れるようになり、怠惰になればなるほど怠惰になるものである。
世にいう二極化とは、帳尻を合わせようとするバランス派とそんなの無視派かたち作られているように思える。

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