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季節の変わり目の「目まい」|耳寄り健康講座19

 常磐病院院長の新村です。暦の上では秋ですが、まだ暑い日が続きますね。「季節の変わり目になると、どうも体の調子がおかしくなる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、季節の変わり目に発生する体調不良の1つ「目まい」に焦点を当てお話をしていきます。

 【目まいとは?】

 目が回るような症状から、かつては「目回り(めまわり)」と呼ばれていたという目まい。その言葉の通り、目が回ってしまうような、ふらついたり、立っていられなくなるような症状を言います。今の時期のような季節の変わり目は、気圧や気温の変化によって、軽度の目まいが発症する場合があります。

 少し休憩すると回復することがほとんどですが、症状が重い場合や頻発する場合などは注意が必要です。

 【季節性の目まいの原因】

 原因① 気圧の変化

 気圧が急激に変化すると、平衡感覚をコントロールしている「内耳」の器官に影響を及ぼし、目まいを発症させることがあります。台風や梅雨の時期などは、特に気圧の変化が起きやすく、目まいだけでなく頭痛で悩む方も見受けられます。

 原因② 気温の変化

 気温が急激に変化することで血管が収縮・拡張し、血流に乱れが起きてしまいます。これにより脳への血流が減少することで目まいが発症する場合があります。

 特に夏から秋へ移り変わる今の時期は、このような症状が起こりやすいと考えられます。

 季節の変わり目は、気候の変化だけでなく、生活環境・職場環境などにも変化が現れます。このような身の回りの環境の変化によってストレスが生じ、自律神経が乱れ、目まいを発症する場合もあります。

 【季節性の目まいの予防】

 「度々、季節性の目まいが発症する」という人は、以下の点に注意するようにしましょう。

 ◯ゆっくりと体を動かす

 急に立ち上がったり、しゃがんだりすると、脳への血流が下がり、これにより目まいや立ちくらみが起きます。起床時や長時間座っていた後に立ち上がる際は、ゆっくりと体を動かすようにしましょう。

 ◯適度な運動と十分な睡眠を心がける

 適度な運動を行うことで自律神経のバランスが整えられ、目まいの改善に繋がります。ただし、激しい運動は目まいを悪化させる場合もありますので、ウオーキングなど無理をしない程度の運動が良いでしょう。また、睡眠不足は自律神経のバランスの乱れに繋がります。運動による疲労感が睡眠を促しますので、適切な運動・睡眠を心がけましょう。

 ◯ストレスを溜めない

 日常生活を送っていると知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまいがちです。ストレスを発散・解消させるためには、心身ともにリラックスすることが大切です。簡単なリラックス方法の例として「深呼吸」をおすすめします。楽な姿勢になり、目を瞑り、鼻からゆっくりと空気を吸い込み、ゆっくりと吐き出すことでリラックスした状態にすることができるでしょう。

 【まとめ】

 「季節性の目まい」は、一般的には数分程度で治ることがほとんどです。しかし、症状がひどい場合や、頻繁に起こる際は、早めに「かかりつけ医」または「耳鼻咽喉科」などの医療機関を受診しましょう。


しんむら・ひろあき 1967年生まれ。富山大学医学部卒。専門は泌尿器科。2015年から現職。

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