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暑い日の熱中症に要注意|耳寄り健康講座⑯

 皆さん、こんにちは。常磐病院の新村です。気温も湿度も高くなってきましたが、体調はいかがでしょうか。今回は、これからの時期に気を付けたい「熱中症」についてお話していきます。

 【熱中症とは】

 私たちの身体には、身体が熱くなってくると、汗をかいて体温を下げる「体温調整機能」が備わっています。ところが、汗を出すための水分が十分に摂取できなかったり、周囲の環境があまりにも暑くて、体温を下げる作用が追いつかないなどの状況に陥ると、体内に熱がどんどん溜まってしまい、めまいや頭痛、吐き気などの症状が現れます。このような健康障害を熱中症と言います。

 【熱中症の原因】

 熱中症は、主に「環境条件」や「身体的条件」などの関わりによって発生します。

 ○環境条件
 ・気温、湿度が高い
 ・日差しが強い
 ・風通しが悪い
 ・急に気温が上昇した等

 ○身体的条件
 ・激しい運動などで体内に熱がこ  もっている
 ・水分が不足している
 ・急な暑さに身体が慣れていない
 ・疲れや寝不足、病気などで体調  が良くない
 ・高齢者や乳幼児である
 ・基礎疾患を持っている等

 これらの条件が重なり体温の調整機能のバランスが崩れると、身体の外に熱が放出されず健康障害を引き起こしてしまいます。

 【熱中症の症状と重症度】

 熱中症は、重症度によって大きく3つの段階に分けられています。

 ○Ⅰ度(軽症)現場での応急処置で対応できる
 主な症状=立ちくらみ、水分・塩分不足による筋肉のけいれん等

 ○Ⅱ度(中等症)体調が戻らない場合、病院への搬送が必要
 主な症状=頭痛、吐き気・嘔吐、倦怠感、虚脱感等

 ○Ⅲ度(重症)直ちに救急車を呼ぶ
 主な症状=意識障害、けいれん等

 【熱中症の応急処置】

 熱中症の症状が疑われる場合、まず「身体を冷やす」ことが重要です。クーラーが効いた部屋や日陰で風通しの良い場所に移動しましょう。そしてベルトなど体を締め付けているものを緩め、水分を摂り、首や脇の下、股間に氷嚢などを当て身体を冷やします。

 なお「意識がない」「意識はあるけれど呼びかけに正しく応えられない」「強い寒気やけいれんがみられる」「自分で水分を摂ることができない」などの症状がみられる場合は、直ちに救急車を呼びましょう。

 【熱中症を防ぐには?】

 熱中症の予防法は、何より「暑い日に無理をしないこと」です。屋外だけでなく、風通しの悪い室内も注意が必要です。こまめに休憩し、その都度水分を摂取するようにしましょう。汗によって塩分も体外に放出されてしまいますので、夏場の水分は「スポーツドリンク」など塩分が含まれているものを選ぶと良いでしょう。

 環境省の発表資料によると、1993年以前は熱中症による死亡者数は年平均67人でしたが、以降年々増加し、2020年は1600人を超えています。その約8割が65歳以上の高齢者です。高齢者は室内で熱中症となるケースも多いため、十分ご注意ください。

しんむら・ひろあき 1967年生まれ。富山大学医学部卒。専門は泌尿器科。2015年から現職。


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