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【シリーズ】会社設立回顧録 4

※写真は鳥取市国安の旧本社(現在は鳥取市福部町に移転)
※記事の内容は掲載時のものです。

2008年
「経営者が率先して苦労する」
2月に法人化した澤寿運輸


掲載:旬刊政経レポート2008年4月25日号


 今年(2008年)2月、一般貨物運送業の(株)澤寿運輸(鳥取市国安166、資本金100万円、澤田壽昭社長)が法人化された。鳥取市内で大小多くの運送会社が点在する中、同社では主に4トン車で野菜や魚などの食料品を県外の市場へ運んでいる。
 社長の長男、澤田健吾専務(24)は「単に荷物を積んで、長距離走って、荷物を下すだけではだめだ。運転手らが率先して高速代やガソリンを節約するとか工夫する部分はたくさんある。例えば、カーブを曲がる時は早めに減速する。そうすれば、燃費もいいし、ブレーキも長持ちする、荷物も揺れない」と話す。


 澤田専務は現在、事務所で運行管理や配車をしているが、数年前まではトラックに乗り、現場で働いていた。
 「ドライバーには大きな声でニコニコしながらあいさつするように言っている。大声や笑顔など、タダで出来ることはどんどんやったほうがいい。お客さんに会った時『あの運転手はいいね』と褒められると嬉しい」。
 同じ仕事でも、当たり前のことをさらに強調することで、他社に差を付けることができるとしている。


 以前、洗車をしない運転手に対し、専務が率先して洗車して見せたことがあるという。
「一度きれいになれば、誰だって汚したくないでしょ。自分で洗車すればタイヤなど整備関係に敏感になるし、車を大切に使う。車に気を使えば、運転も上手になるし、荷物も大事に扱う」。
 その運転手は、自ら洗車するようになった。


 深夜の長時間、長距離の重労働。ハードで不規則な仕事だ。車好きの社長は以前、高い車に乗っていた。しかし、それでは従業員に示しがつかないということで軽自動車に買い変えたという。従業員が苦労する前に、経営者が率先して苦労しないと人はついて来ないという考えだ。

 「どんな仕事でも向上心や好奇心を持って忍耐強く働けば、自分の為になる、家族を養っていける」とする澤田専務は「今はいろいろな事に挑戦してみたい。例えば大手運送会社を除いて、ホームページがある運送業者は以外と少ない。これからは運送会社をインターネットで探す時代が来るだろうから、会社のホームページを作るとか」。


 最後に澤田専務は「これからの鳥取を作っていくのは自分達だと思っている。自分はここで生まれ、ここで育った。ド田舎で何も無い所だが、穏やかな人柄や自然から多くを学んだ。本当に鳥取は良い所だ。若いからこそ考えて仕事をし、そこから多くを学び自分達の大好きな鳥取を守っていかなければならない」と抱負を述べた。


※記事の内容は掲載時のもので、事業内容、所在地、代表者名など現在と内容が異なる場合がございます。


株式会社澤寿運輸ホームページ



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