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カドヤ証券株式会社(鳥取市二階町)

昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年10月5日号より、カドヤ証券株式会社の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。



【事業所めぐり47】カドヤ証券株式会社(鳥取市二階町)



地元証券会社の中では最も古い歴史を誇り、「業界のリーダー的存在」といわれている。株の売買を中心に国債、公社債、事業債、電力債など債券も手がけ、鳥取市内で占めるシェアは36~37%とトップ。

明治36年4月、現社長の祖父・角谷𠮷蔵氏が兵庫県の豊岡で創業。昭和6年、当時証券業界にとっては未開拓地であった鳥取市に進出し、業界のパイオニアとして同市証券業界の発展の基礎を築き上げた。

23年5月には法人化して現社名となり、その後、業界の発展とともに同社も増資を繰り返すほか37年兵庫県に城崎営業所を設置、業務拡張を図るなど順調な歩みを続けてきた。40年ごろ証券不況といわれる厳しい時期があったものの、これを乗り切り46年12月に現代表の角谷弘海氏が31歳の若さで社長に就任、現在に至っている。

社長をはじめ社員の平均年齢が20歳代という“若さ”で象徴される同社だが、「客のこのみに合った株を売り、無理な商売は絶対にしない」をモットーに顧客の安定確保を図るほか、社員教育にも力を入れ、「営業マンが自分自身を、自分の人間性を売る」ように証券知識だけでなく、社会全般の豊富な知識、教養を身につけさせることにも心がけている。このような経営努力を重ねた結果、同社には不況を克服してここ数年、年商は10%程度のアップを維持しており、これからは「一日一日の努力が重要」と社長は意欲的。

52年10月17日には顧客層の拡大を図って城崎営業所を豊岡市に移転、オープンの予定で準備している。

同社の業務はその90%近くが株の売買。現在では、30代の個人投資家が増えており、以前と異なった形で顧客層が徐々に広がってきている。同社の顧客一人当たりの平均株数は3000株ほどだが、これからは、債券にも力を入れて証券全体に全力投球をしていく方針。

しかし、鳥取県人にはまだ証券知識が乏しく、人口に対する証券普及率が低いのが実情で、日本証券業協会の鳥取県担当・証券貯蓄推進委員でもある角谷社長は「証券についての理解を深めるのが私の役目で、それが業界全体の顧客層拡大にもつながる」と抱負を語っている。(昭和52年10月5日号)



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