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株式会社米子国際ホテル(米子市加茂町)

 昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年6月5日号より、株式会社米子国際ホテルをご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。


【事業所めぐり24】株式会社米子国際ホテル(米子市加茂町)


昭和46年、地元財界人の強い要望もあって、山陰で初めての国際感覚を備えた純洋式ホテルとしてスタート。以来、山陰の商都・米子の都市機能の一端を果たしてきた。

9号線と駅前通りの交差点に地上9階、地下1階(客室74、収容人113人)の近代的設備を誇っている同ホテルも、ことしの7月で開業六周年を迎える。永年にわたって米子商工会議所の副会頭を勤め、地元経済界のリーダー的存在である加藤章同ホテル社長は、ホテルマンとしてのモットーを「お客さまの身になって、真心のこもったサーピスに徹する」ということに置き、一流ホテルとしての従業員のマナー教育、諸施設の整備に意を注いでいる。

同ホテルの場合、宿泊客の大半は県外客、それもビジネスを主とした顧客が多いということもあり、接客態度がたちまち米子のイメージアップに役立つとあって、そのあたりの配慮には万全を期している。

また、幅広い社交の場、情報交換の場として宿泊以外の利用客の多いのが特徴。しかし、この不況下を反映して各地の観光ホテルが軒並み減益を余儀なくされている現状について支配人である園山常務は「ウチの場合、ビジネスで利用される方が多いということもあって、レジャー客を主体とするリゾートホテルに比ベ影響は少ないが、しかし、低成長時代を迎えて経営の合理化など体質改善を図っていかなければならない」と、慎重である。

また、各種の催し物、パーティー、それに結婚式など一般向けの営業にも力を入れており、「今日まで培ったイメージを大切にしつつも、さらに新しい客層開発に努め、渉外にも力を注ぎたい」と、なかなかに意欲的だ。昨年は、開業5周年を記念して沖縄への招待セールを催したり、毎年7、8月には「世界の料理シリーズ」と銘打って、一流コックの手による世界各国の料理を順次紹介し、好評を博している。

近々、新しい客層開発を目指して増築計画もあるらしく、その活動が注目されているが、地元財界人の総意を結集して誕生した同ホテルも今では、山陰における一流ホテルとしての評価を確立、宿泊はもちろん、ピジネス、食事、結婚式、宴会各種会合、そして山陰観光の拠点として、その果たす役割は、今後さらに多様に広がって行くものと思われる。(昭和52年6月5日号)



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