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有限会社西山家具(鳥取市古海)

 昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年3月25日号より、有限会社西山家具を紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。

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【事業所めぐり9】有限会社西山家具(鳥取市古海)


終戦直後の昭和21年、西山芳雄社長が鳥取市古市でミシンテーブルの製造を個人創業。その後、国民生活が安定し、家具類への需要が高まるのに呼応、35年タンス類の製造に転換した。

38年、大阪市で鳥取県の家具見本市が開催され、参加出品して以来、販路を京阪神地区へ集中した。42年8月には、資本金400万円をもって法人改組し、現称の㈲西山家具となる。

その翌年から、国の「低開発地域工業開発促進法」の適用を受け、同所千代工場団地内で「工場建設増強計画」を開始した。翌44年には本社と工場を現在地に移転。以後、増資と、「生産能力増強計画」に基づく設備投資により、工場・倉庫の新設、厚生施設の設置を行った。

設立以来毎年20~30%の売り上げ増を記録しており、昨年は9億4000万円(対前年比33%増)。扱う商品が半必需品であることから行政の助成措置をうけ、設備を充実。開発部を設け、新製品の開拓に当たっている。

「基幹経営比率で管理する」という同社長の経常方針のもと、材料費・人件費・経費•利益の各面でたえず弾力的な対策を購じ、適正価格の維持に努めた。

業界のリーダー格として、同社の廉価な製品が地元の同業者を圧迫することを避け、製品の約9割を県外へ出荷するなど、種々の工夫をこらしている。収納家具のなかでも婚礼家具を営業の主品目に好調な業績を示している。ただ、この不況・結婚件数の減少、また周期的に到来する原材料価格の高騰などなかなかに厳しい情勢にあるため、これらの対策と併せ、業界の長期安定を目指し、昨年、家具組合を結成し構造改善事業を計画した。

①家具メーカー十数社による木工団地の建設
②米子木工と日本ファニチャーとの企業合同
③鳥取家具会館の建設(知識集約化事業)
④将来、大阪と名古屋に配送センターを設けるなど。

今春、家具商社の赤字に伴い外材などの仕入れが不足、昨年に比べて五割近く原材料が高騰したが、同社は合理化により値上げをしない方針。

同社長は「現状を維持しつつ借金を返済するのが一代のつとめ」といい、「創業以来つちかってきた塗装・指物技術を背景に、最新の技術と設備をもって、生産体制の充実と品質の向上に努めたい。また、より優雅でより使いやすい製品の開発を目指す」と話している。(昭和52年3月25日号)


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