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ハンドリングのスキルアップに必要な7つの基本知識:その7️⃣【セラピストの姿勢と動き方に注意しよう】

このマガジンでは、ハンドリングを行う上での基本知識を解説してきました。ハンドリングが徐々に慣れてくると、細いな感覚の違いや違和感に気がつくようになります。

感覚の変化や違和感に気がつくようになった時に、乗り越えるべきハードルがあります。それは、センサーの誤作動です。

確かに、身体の動きに問題やトラブルがあれば感覚的に気がつくことがあります。しかし、違和感を感じる能力が触れるほどセンサーの誤作動に注意しなければいけません。

センサーの誤作動を最小限するためには、セラピスト自身の身体を適切に使う必要があります。

♦︎セラピストの姿勢に注意する

関節が動くとき、骨の遠位側は空間上で直線的運動にはなりません。大まかに円運動になります。ある肢位から関節を動かし始めた後、直線的に力に加えると関節が動く方向とセラピストが力を加える方向にミスマッチが起こり、その時点で非整理的な動きになります。

力を加える方向をコントロールする場合、手先だけではなくセラピストの姿勢から意識することが望ましいです。

動かす手の方向を変えくても、姿勢が変化するだけで力の方向を変えることができます。

姿勢のコントロールは、あらゆる場面で使える考え方です。動きのバランスだけではなく、左右の筋緊張の差やアライメントの変化などとれる情報が多いことに気がつくでしょう。

♦︎セラピスト自体の身体の使い方でも感覚は変化する

例えば、下肢全体を屈曲させるとしましょう。背臥位で寝ている患者の足を持ち、伸展しているところから屈曲位へ操作します。この時に、セラピストの肘は逆に伸展してきますね。

この伸展の仕方が意外と重要です。この重要性を体感していただくためには、2種類のリーチ動作を比較すると良いです。

1️⃣自分の手に意識を持ち、前に伸ばす
2️⃣鳩尾が土台となって手が伸びていくイメージを持ったリーチ

見た目は同じ動作ですが、やっている本人は明確な違いを感じることができます。さらに、一つ、客観的にも変化のわかるポイントがあります。それが肩甲骨の向きです。

2つのリーチ動作後に、肩甲骨の向きを反対の手で確認してみてください。1️⃣のリーチでは肩甲骨は2時や3時の方向(時計で考える。自分の正面が12時だとした場合)になるのに対して、2️⃣の動作は、肩甲骨の向きが1時の方向に変化します。つまり、より肩甲骨が前に向きやすくなるということです。

肩甲骨が前を向くということは、手を動かすときに土台がより真っ直ぐにあることです。土台が曲がっていると手のコントロールに余計なコストを必要としますが、土台は真っ直ぐに近いと動かすことに対するコストが下がり、センサーの誤作動を抑制し、より正確な情報の収集に繋がります。


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