オンライン・コミュニケーションで最初に気を付けたいことは・・

最近、オンラインアプローチのトレーニング依頼が増えている。コロナ禍の長期化で、商談やセールスのスタンダードがオンラインに移行していく表れだろう。

リアルとオンラインの最も大きな違いは、何だろう。人がコミュニケーションする際、リアルであれば「情報の交換」とともに「感情の交換」が自然に行われるが、オンラインでは感情の交換がしにくく、親しくなるのが難しい。そのため、日ごろ「情報」より「感情」のやりとりを重視する人間味あふれるタイプほど、オンラインアプローチに苦手意識を持ちやすい。

ビジネスにおいては、情報自体が「正確」で「有益」なことが最も重要なわけだけど、相手との距離を縮めることによって、特別な情報が得られたり、同じ条件なら気持ちの良い人と取引したいと思うことも少なくない。これからオンラインアプローチがスタンダードになるのであれば、オンラインでもいかに人との関係が深められるか=感情の交換ができるかがビジネスの成否を分けるだろう。

ところが、オンラインでは、この感情の交換がやりにくい。もともとよく知っていて評価が定まっている相手なら影響は少ないが、初対面やよく知らない相手の場合、四角いフレームの中でのやりとりですべてが評価されてしまうからリスクが大きい。

では、どうすればいいのか。

必要なスキルはいくつもあるが、入り口は「表情」だと思っている。シリアスなミーティングではそうニコニコもしていられないが、せめて冒頭と締めくくりくらいはできるだけ柔らかい表情で接することが有効だ。

具体的には、ミーティングに入る瞬間から明るい表情を心がけよう。ZOOMやTEAMS等に入るとき、ネットがうまくつながるかが気になって画面をじっと睨んでしまったり、新たに入ってくる人を油断した表情で迎えてしまったりしてはいないだろうか。ミーティングの入室は、リアル面談で会議室に入り、「こんにちわ」とか「よろしくお願いします」というのと同じ場面。入室前から身だしなみを整え、明るい表情でドアを開けているだろう。  

  

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ところが、オンラインだと突然、多くの人の表情が凍る。面白いことがあったとき以外は笑みを見せない。それでなくても、四角いフレームの中、周囲の景色や全身情報なく、ドカンと顔が大写しとなるのに、その顔(表情)が怖かったら相手を威圧するに決まっている。

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これは、オジサンや不愛想な男子だけの話ではない。美しい女性にも、その傾向はある。目鼻立ちのはっきりした美人は、特段の努力をしなくても大事にされるせいか、表情が乏しいケースが少なくない。いや、表情なんてなくても十分に美しくて見とれてしまうのだけど、「短い時間で相手との距離を縮める」という点においては足りない。

ずっとニコニコしている必要はない。肝心なのは、冒頭のほほ笑みだ。無理に口角を上げたり、歯を見せたりしなくていい。「あなたに会えて嬉しい」と存在を丸ごと受け止めながら挨拶するだけのこと。そうすれば、自然と頬の緊張が緩み、優しいまなざしになるだろう。

私自身、表情の重要性を再確認したのは最近だ。在宅介護をする中で、耳の遠くなった母とのコミュニケーションがうまくとれず、より大きな声で繰返し伝えようとしたら、「そんなに怒鳴らないで・・」と鳴き声で言われるようになってしまった。怒鳴ってなんかない。母に聞こえるように、大きな声で言っているだけなのにと、悩んだ。

しかし、あるとき気づいた。何度も同じことを繰り返しているうちに、私の態度に余裕がなくなっていったのだと。そこで意識的に頬を緩めて話しかけるようにしたら、母は安心したような顔で私を見て、文句を言わなくなった。話の内容は相変わらず聞き取れていないと思うけど、「自分の存在が肯定的に受容されている」と感じて満たされるのだろう。

昔からの知り合いが久しぶりにテレビで私をみつけ連絡をくれるときも、「表情が柔らかくなったネ・・」と感想をくれることが増えた。おそらく歳を重ね、母の介護を通して手にいれたものだろう。

それでも、オンラインセミナーやミーティングの際は、自分の表情に注意を払っている。最初の挨拶の際、そこにいる人の「存在を受容する」ことに意識を集中する。そして、自分が話すときよりも、相手の話を聞いているときに、穏やかな笑顔で受け止め、うなづく。具体的なテクニックは、その次だ。


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ミッションは、ひとりひとりが”自分らしく生きる”ために役立つ情報を発信し、多様な価値観を認め合う組織・社会に近づけること。現在は家計・社会保障・コロナ禍の経済対策・キャリア開発・ダイバーシティ・組織マネジメント等、幅広い分野で情報発信しています。