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清閑亭が「未契約状態」で営業開始?小田原市のガバナンス欠如が示す深刻なリスク

(*) 契約の正確な状況については、小田原市からの正式な発表をお待ちください。本文章は、「賃貸借契約が未契約状態である」という前提で記述しています。

守屋市長肝いりと言われ、文化財保護、近隣への影響、公平性などの観点で問題となっている、小田原市とJSフードシステム社が進める「小田原別邸料理 清閑亭」ですが、2024年3月9日時点で、小田原市とJSフードシステム社が清閑亭を巡る賃貸借契約を正式に締結しておらず、「未契約状態」で営業開始しているという情報を入手しています。

これが真実であれば、市と運営事業者のガバナンス体制に深刻な欠陥があることを示唆しています。このような基本的な契約関係が明確にされていない状況は、単に不手際を超えた問題であり、文化財を巡る管理体制の根本的な問題を露呈しています。

一般的なテナントやアパートにおいて、賃貸借契約なしでの利用は考えられないほど、基本的な契約関係は不動産取引の根幹をなすものです。それが、市の保有する文化財となれば、この問題の深刻さはさらに増します。小田原市による清閑亭の扱いは、そのような基本的な原則を逸脱したものであり、自治体としてのガバナンスの不全を露呈しています。文化財は単なる不動産ではなく、歴史的、文化的価値を有する財産です。その管理と利用には、特に慎重な配慮と公共の利益に基づく運用が求められます。

さらに問題を深刻化させるのは、既に増築や内装工事が行われていること、さらには飲食店の営業行為を開始しているという事実です。これらの活動は、賃貸借契約が確定していない状況下で進められており、文化財の保護という公共の責務に反する行為であると同時に、公共資源の私的利用の疑いを強く抱かせます。

特に、内装工事や増築は文化財の構造や歴史的価値に永続的な影響を及ぼす可能性があり、適切な許可や監督のもとで行われるべきです。また、文化財内での商業活動は、その収益がどのように管理され、文化財の保全にどのように役立てられるかという透明性が求められます。

下記のような条件が、正式な契約書面で未締結なまま、工事と営業開始がなされている可能性があります。

  1. 費用、期間などの基本条件: 利用料金、契約期間などの基本的な取り決めが未定であり、管理と負担についての不透明性。

  2. 火災などの文化財損傷時の賠償責任: 火災や事故による文化財の損傷に対する賠償責任の所在が不明で、修復や保全の責任が不透明。

  3. 増築、内装などの原状回復義務: 改造後の原状回復の義務や費用の負担についての取り決めがなく、将来的な責任が不明確。

  4. 収容人数など文化財保護のための利用制限: 文化財の保護に関する利用制限(収容人数や設備使用の制限など)が定められておらず、管理運用の基準が不明。

  5. 近隣環境への配慮(騒音、悪臭など): 施設の運用による騒音や悪臭といった近隣への環境影響についての配慮や具体的な対策が未確定。

  6. 保険の加入: 施設や第三者に対する損害保険の加入義務に関する取り決めが含まれていない場合、予期せぬ事故や損害からの保護が不足している。

  7. 施設の利用目的の明確化: 施設がどのような目的で使用されるかについての明確な定義がないと、不適切な利用によるリスクが生じる。

  8. メンテナンスと修繕: 施設の定期的なメンテナンスや必要に応じた修繕の責任分担についての取り決めがなければ、施設の適切な維持管理が困難に。

小田原市が公表している、契約締結のプロセスが飛ばされた状態で事業実施させてしまっている可能性が高いです。

旧支所及び清閑亭の利活用に係る提案募集実施要領 (令和2年度 小田原市公共施設等に係る民間提案制度)令和3年(2021年)3月 小田原市

これらの行為が、適切な契約や公開された計画なしに進められているとすれば、それは小田原市のガバナンスにおける深刻な欠陥を示すものです。市が貴重な文化財を適切に管理し、保護することに失敗している現状は、そのガバナンスの欠如がもたらす悲惨な結果の一例に過ぎません。

小田原市は、この未締結契約問題および既に行われている増築・営業行為についてただちに停止し、清閑亭を含む文化財の適切な管理と保護を確保するための具体的な行動を取ることが急務です。市の責任者は、透明性を確保し、市民との信頼を回復するために、この問題に公に対応し、明確な解決策を提供する必要があります。文化財の未来と地域社会の利益を守るために、小田原市のガバナンス体制の見直しと改善が求められています。

この一連の問題を踏まえ、私たち市民はただ待っているわけにはいきません。小田原市に対し、以下の行動を強く求めます:

  1. 透明性の確保:清閑亭を含むすべての文化財に関する契約状況を公開し、市民に対する情報の透明性を高めてください。

  2. 即時の対応:未締結契約問題および不適切な利用について、ただちに調査を行い、公表するとともに、必要な措置を講じてください。

  3. 市民との対話:この問題に対する市民の意見を聞くための公開フォーラムやミーティングを定期的に開催してください。

私たち市民も、地域の文化財を守るために、以下のような行動を起こすことができます:

  • 情報の共有:この問題に関する情報をSNSやコミュニティ内で共有し、より多くの人々の関心を集めましょう。

  • 公式への問い合わせ:小田原市や関連機関に対し、この問題に対する正式な見解や対応計画を問い合わせましょう。

私たち一人ひとりの小さな行動が集まって、大きな変化を生む力となります。小田原市の文化財を守り、公平で透明な市政運営を実現するために、今こそ行動を起こしましょう。

「清閑亭問題」は小田原市の守屋市長肝入と言われる文化財利活用プロジェクトに対して、自民党の地方政治でよく聞く「癒着」や「利益供与」の疑いを持ち、積極的な調査と情報発信を行っています。


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