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清閑亭と豊島邸は総額3.5億円の利益供与か?小田原市が設定した相場より著しく低い賃料の謎

小田原市の歴史的建造物、清閑亭と豊島邸が市場相場よりも顕著に低い賃料で貸し出されています。この記事では、この状況が小田原市から運営会社であるJSフードシステム社への、概算で「総額3.5億円の潜在的な利益供与」として機能している可能性について解説します。それにしても、なぜここまでのディスカウント契約になっているのか理由がさっぱり分かりません。手がかりになりそうなのは、守屋市長とJSフードシステム社が懇意であるという噂だけです。

小田原市が所有する両文化財は定期借家契約によって貸し出されており、清閑亭は「小田原別邸料理 清閑亭」、豊島邸は「豊島鰻寮 一月庵」として、守屋市長と懇意とされるJSフードシステム社により飲食店として運営されています。

清閑亭と豊島邸の概要、賃料は以下の通りと言われています。清閑亭の坪単価は約1,667円、豊島邸の坪単価は約3,300円となり、賃料は小田原市の平均的なテナント料金相場である約2万円と比較して、異常なまでに低く設定されています。更に、文化財としての価値を考慮すると、市場価値は更に上昇するはずです。

清閑亭:延床面積396平米(約120坪)、敷地面積5561平米で、賃料は月20万円。坪単価約1,667円
豊島邸:延床面積150平米(約45坪)、敷地面積886平米で、賃料は月15万円。坪単価約3,300円

小田原市の資料より
清閑亭の基本情報(小田原市の資料より)

参照:清閑亭の公募提案募集時の資料

豊島邸の基本情報(小田原市の資料より)

参照:豊島邸の公募提案募集時の資料


周辺相場の確認をしてみます。店舗相場TOWNによると、024年3月1日時点の、小田原市の店舗賃料相場は、1階の平均坪単価が23,362円、最高値が36,364 円、最低値が8,976 円です​​。これに基づくと、清閑亭と豊島邸の賃料設定は市場価値のわずかな部分に過ぎず、長期契約における総額は大きな利益供与と解釈できます。

店舗相場TOWNより


飲食店ドットコムによると2024年3月時点での、小田原駅周辺の直近1年間の相場は、平均坪単価20,650円、最高値が46,283 円、最低値が9,873円です​​。店舗相場TOWNと、そこまで大きな差はないと思います。

飲食店ドットコムより

アットホームなどで検索してみましても、坪単価1〜3万円が殆どで、小田原駅徒歩圏内で坪単価1万円を下回るような物件は殆ど見当たりません。

仮に坪単価2万円として計算すると、清閑亭は約240万円の価値のものが20万円、豊島邸は90万円の価値のものが15万円で借りられていることとなります。10年と言われる契約年数での総額は220万円 + 75万円 x 12ヶ月 x 10年 = 「約3.5億円」となります。

尚、こちらは単純な延床面積だけで計算しており、「文化財」のプレミアムや、広大な庭の価値は考慮にいれていません。これは特定の運営会社に対する間接的な財政支援と見なすことができ、公共資金の適正な使用に関する疑問を投げかけます。

賃料がどのように設定されたかについての情報は公開されておらず、この不透明さは利益供与の疑念を深める一因となっています。公平性と公共の利益を確保するためには、このプロセスの透明化が求められます。また、サウンディングによる賃料ヒアリングが行われたとの情報がありますが、これは市場相場に基づく客観的な設定を行うべき場面で、入居者の意向を反映させるべきではありません。この手法は談合を連想させ、適切な賃料設定プロセスから逸脱していると言えます。

上記の事実から、小田原市から特定の運営会社への利益供与が意図された可能性があると指摘されています。この状況は公共の信頼を損なう重大な問題であり、公正な取引と公共資源の適正な管理を確保するためには、運用の見直しと透明性の確保が急務です。

小田原市による清閑亭と豊島邸の賃料設定は、潜在的な利益供与としての機能を持ち、公共資金の使用における透明性と公正さの欠如を示唆しています。この問題に対処するためには、適切な監督と公開された手続きを通じて、公共の利益を保護する措置が必要です。

「清閑亭問題」は小田原市の守屋市長肝入と言われる文化財利活用プロジェクトに対して、自民党の地方政治でよく聞く「癒着」や「利益供与」の疑いを持ち、積極的な調査と情報発信を行っています。


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