見出し画像

盆は私の上を通り過ぎてゆく

盆終わりに書いていた、いけ好かね〜文章。
回って光るちょうちんに驚く。

--------------

「先祖おかえりんこ期間」こと、盆が終わるらしい。例年ぼーっとしているうちに始まり、終了する。

父、母、私で構成されるニシノミヤ・ディヴィジョンと、家庭内権力がケタ違いの総理(いや帝王)といえる祖母。
ディヴィジョンと帝王は、ちょうど阿佐ヶ谷姉妹のお二人と同じくらいの距離感で住んでいる。つまり5歩ぐらい離れた距離だ。この近さで冷めるスープがあったら教えてほしい。

そのため祖母ンちは、ほぼあたしンちであるといえる。

-------------

祖母ンちには、仏壇がある。

「お盆には先祖に会える」という考え方を真とするなら、盆でなくても祖母ンちまで5歩歩いて仏壇にチーンすればいつでも会える。

だから、盆は私にとってはそこまで特別な行事ではない。
どんな行事か。

・お寺さんが家に来て5分ほど読経する行事。
・「今日だけで42軒も回られるんですね、そりゃ大変。」など会話をしながらバイクに乗った袈裟姿を見送る行事。
・帝王が用意したちょっといい店のゼリーや羊羹を賃金代わりに帝王の話を数時間ほど拝聴する行事。
・盆期間の前に親戚一同が持ち寄っていた菓子、フルーツ、酒を分配する行事。

アンリシャルパンティエやアンテノールの菓子箱が家にあることは特別といえるが、先祖云々においての特別感かといえば、ちがう。

お盆に特別な意味…あるの?とずっと思っていたけれど、 そのあたりは個人や宗派によって色々だろう。
うちには野菜で馬や牛を作る習慣はない。
くるくる回って光るちょうちんも、祖母ンちのどこかにあるかもしれないが飾っているのを見たことはない。
あのちょうちんは楽しい。先日イオンで初めて見て「クラブじゃん!」とテンションが上がった。飾る家は、使わないときは押入れとかにしまっておくのかな。間接照明として使ったりしない? しないか。

----------------

突然のアンケート(ニシノミヤ・ディヴィジョン調べ)。

Q. お盆期間に、先祖は家に来ると思う?

A.
母「うーん。お盆だけではないね。途中までいいことなくても後から運気が上向いてくると、守ってくれてるのかな、と思う。ピンチの時に助けてくれる」
 …自身をまるでヒーローのように考える母 (いつものことだ)。
父「先祖が来るかどうか? そんな難しいこと考えへんわ。それより墓を掃除しに行こ」
 …信心深いがとことん現実に生きる父。

--------------

私の答えは「先祖なら毎晩俺の隣で寝てるけど」である。

霊感は皆無、人にも霊にも鈍感だが、なぜか「家に先祖がいる」という感覚は一丁前にある。

---------------

親戚が一堂に集まらなくなって数年が過ぎた夏、家と自分の関わりを悶々と考えているうちに盆が終わる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?