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ほんとうの豊かさを実現する「4つの資産と5つのライフスタイル」とは(前編)

長寿大国日本

 ある日、我が家の郵便受けに一通の緑色の封書が届きました。開封してみたら中に入っていたのは「介護保険被保険者証」。あー、私もついにそんな年齢になってしまったかとショックを受けました。

 しかし、考えてみれば日本は世界に先駆けて超高齢社会(65歳以上が総人口の21%以上。日本は2007年に突破。2020年で28.7%)に突入しているのですから、マラソンならやっと折り返し点に立ったようなものだと気を取り直しました。

 人生は私たちが想像している以上に長い。60歳時点での日本人の平均余命は男性で22年、女性で27年。前回東京オリンピックが開催された1964年にはわずか191人だった100歳以上の高齢者の人口は今や8万人を超えてさらに増えています。

 かつて小泉元総理が講演で「いまに100歳以上の元気なお年寄五万五万といる社会になる」と言って観客の笑いを誘っていましたが、それがすでに5万どころか8万以上になっているのが現実です。

 長生きできることは本来喜ばしいことです。それに超高齢化社会では年齢不詳化現象が伴い、実年齢と精神および肉体年齢は必ずしも一致しなくなっています。元気で活動的な高齢者人口が増えているからです。そうなるとライフスタイルも人生観もおのずと変わってきます。人生の後半をとことん愉しむことだって夢ではありません。

 ただし、そのためにはふたつのことが大切です。ひとつは賢い資産形成。もうひとつはあなたにとって本当の豊かさとは何かを知ることです。


「かねは入っただけ出る」

 まず、資産形成から考えてみましょう。夫婦2人がある程度ゆとりのある老後を送るために必要な生活費は、ローンや家賃が無いとして、一般的に1カ月40万円程度といわれています。つまり10年で5千万、20年で1億円が必要になる計算です。そのうえ介護のことも考えなければならないとなると、大多数の人が将来に不安を感じるのは当然です。

 しかも「金は入っただけ出る」

 じつはこれは英国の歴史・政治学者シリル・N・パーキンソンが半世紀以上前に出版した本のタイトルで、パーキンソンの第2法則として知られている言葉です。その法則によれば、我々人間は貧しいうちは食べるだけで精いっぱいですが、所得が増えてくるに従って余ったお金を何に使おうか考え出す。やがて支出は所得に応じて増えるばかりでなく、所得を超えて支出するようになるというのです。どうりでいつまで経っても私の貯金も思うように増えないわけです。

 ただ、貯蓄だけをしていれば安心かというとそうでもありません。お札は信用を失えばただの紙切れになってしまうからです。アフリカ南部の国ジンバブエでは大統領の失政で1日に100%という天文学的インフレが起き、2008年に経済破綻しました。

 100兆ジンバブエドル札まで発行されましたが、その超高額紙幣で買えたのは生卵たった2個でした。もちろんこれは極端が例だが、資産をお金だけで考えているとそんな事もありえるのが世界経済だということは覚えておいた方がいいでしょう。日本ももちろん例外ではありません。

 ではこれから世界の政治経済はどう動くのでしょうか。

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