No.095 Short termism

1997年に米国NASDAQ市場に上場したアマゾン・ドット・コムの戧業者ジェフ・ベゾス氏が、年次報告書(Letter to Shareholders)の中でのメッセージです。

“When forced to choose between optimizing the appearance of our GAAP accounting and maximizing the present value of future cash flows, we’ll take the cash flows.”

「利益は意見、キャッシュは事実」と言われますが、日本では2000年まで上場企業にキャッシュフローは求められていませんでした。
 どんなに赤字をだしていてもキャッシュが回っていれば会社は継続しますが、黒字であってもキャッシュが回らなければ会社は倒産します。
 いかに将来キャッシュフローを最大化するかが企業価値の向上のためには不可欠ですが、会社は四半期決算という定期検診によってその時点の会計報告が義務づけられるので、短期的な利益は株主にとって重要となります。
 ところが短期的な利益のための活動と長期的な利益のための活動は相反することがあるので、長期的な株主価値向上のためにいかに株主を説得するかは重要ですよね。ベゾスはそれができたから、アマゾンは大きくなったのだと思います。
 日本では四半期を任意へとの改革が進んでますがどうですかね。1年だと中途半端だし、本質的には経営者と株主の対話や相互理解が重要で、単純に四半期決算を任意にしてしまえというのは浅はかな考え方のように感じます。
 


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