しかた その2
名付ければ名付けるほどに身悶えるブルドーザーを置き去る夕べ
お別れの曲がり角から加速する肉蝿 いきなり肥満する僕
先輩が登る真っ青な金網。さいころとさいころが復縁する
重火器の名前にくわしい友達が格好悪い時計をなくす
井戸からの距離で何でも表そう!気が滅入るほど甘いビル風
日差しから突き放されてBE KOBE BE KOBE? 馬鹿にしているのですか
まんまとウニに突き刺さった藁人形の新品のスカートの配色
あれは夜の小石に首が(着信音)(着信音)フランスの盛り土
麻雀にあまりに疎い軍人がそのせいで化膿するここの月
弟に枯れたアロエを捨てさせてそれっきり長押にぶら下がる
/志賀野左右介「SKINLESS & BONELESS」
にんげんがにんげんを、きかいがきかいをえらんで、ふたつのかたさがずっとちがった、
ろぼっとは、ろぼっとらしくいきたくて、それをみるためのにんげんをそだててた、
もにたあから、まっすぐこっちをみるかおで、まっすぐかおをみるんをおぼえた、
あたまからあしのほうまで、まかれたこいるのまきをかぞえて、ねむたくなってきた、
ほうきされたねっとわあくは、おおむね、ふたりでるうぷして、さいごはあんていした、
おおきくなればなるほど、そのめえからは、ちいさなぜんぶが、ただただらんざつやった、
さいてきなかずだけ、ふるえるために、きょうふといっしょに、となりにいてくれた、
ちょうど、つきいっしゅうぶんのながさのびでおてえぷを、いつかさいせいするためのつき、
いずれ、たしかにであうために、つうろはいつも、どこかですくなくなってった、
まばたきのあいだ、せかいはどれだけかわってええんか、ふるいえいがをさんこうにした、
/多賀盛剛「tower III」
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