仕事に副業にプライベートに!活用法と注意点を基礎から学べる生成AIの教科書3選【三脚読書#2】
「生成AI」をこれまでスルーしてきた人へ
今日の#三脚読書のテーマは「生成AI」です。
もう世の中「AI、AI、AI!」って、ニュースでウェブで、同僚との会話で、耳にしない日はありませんよね。
でも、AIって正直なんだかよくわからない。だから、とりあえず、「AIヤバいよね〜」とか、「仕事を取られないようにしないと」とか、なんとなく当たり障りなくリアクションを取っている人も多いのではないでしょうか?
そこで今日は、あらためて生成AIに関する疑問を整理してみたいと思います。
「そもそも生成AIって何? 単なるAIと何が違うの?」
「どうやって使えばいいのか? 何に使ったら副業の役に立つのか?」
「生成AIは人間を超えるのか? 使用に当たって気をつけることは何か?」
このような疑問を基点にして、3冊の入門書から深堀りしていきます。ちょっと長くなりますが、ぜひ最後までお読みください。
今日の3冊はこちら↓
質問し放題の「24時間戦えるマイ家庭教師」が現れた
まず、そもそも生成AIとは何か?については、AI自身が答えてくれています。
実は上の引用は著者(人間)の文章ではありません。生成AIによる自分自身の説明、自己紹介です。「あなたは誰ですか?」(初めて会った人にこういう聴き方はしませんが、AIにそういう遠慮はいりません)と問えば、「私、こういう者です」と名刺を出すように自己紹介をしてくれます。
この自己紹介をもとに私なりにひと言で定義すると、生成AIとは、「24時間戦えるマイ家庭教師」。
40代以上の方なら、きっと「♪24時間戦えますか?♪」という昭和モーレツリーマンのCMをなつかしく覚えていることでしょう。
でも、この先生は疲れを知りません。いくらでも戦えます。あなたが出したお題に、24時間休むことなく応答し、文章や画像、映像、音楽などを生み出してくれる存在なのです。
中学や高校の頃、「もうちょっと聴きたいんだけど、先生いそがしそうだし、よくわからないけど、まぁいっか」と中途半端のままやり過ごしたことはありませんか? でも、24時間働ける先生ならその心配は無用。残業上限を気にする必要もありません。心の底から納得いくまで、質問し放題です。
サラリーマンの方なら、「先生」を「上司」に置き換えてみてください。もっとも、上司は「いそがしそう」というより、「できるだけ話したくない」、というケースもあると思いますがw、AI上司なら、何を聴いてもしかられません。そう考えると、AI課長には、気軽に話しかけられるのではないでしょうか?
会話は普段使っている「人間語」でOK
しかも生成AIへの質問や指示文は、あなたが普段会話に使っている言葉でOK。昔であれば、コンピューターに指示を出すときは、人間の言葉をいったん彼らの言葉に翻訳してやる必要がありました(プログラミング言語ってやつですね)。だから、使う側の人間にもそれなりのスキルが必要でした。
ところが現代の生成AIは、人間語のままで問題ありません。たとえば、「京都ひとり旅の計画を立てて。1泊2日。できるだけ観光客が少ないスポットを優先して」と質問すると、↓な感じで提案してくれます。
なんとなく、イメージが湧きますでしょうか?
本当に「観光客が少ない」かどうかはさておき、少なくとも、私は「北白川」というエリアを知りませんでしたし、「嵐山は夕方は比較的観光客が少ないかもしれない」という参考情報は得られました。
もちろん、生成AIへの指示文(「プロンプト」と呼ばれます)も日々研究がなされていて、より効率的な指示の仕方はあるのですが、「たたき台」、「きっかけ」、「視点」を得るくらいであれば、上記のように、普通の言葉を並べるだけで十分です(しかも、将来にはAIの学習が進んで、「効率的な指示の仕方」すら、考慮する必要がなくなると思われます)。
いかがでしょう? 使ってみたくなりましたか?
もしもあなたが初めて生成AIを使うなら、おすすめはChatGPT一択です。より高性能な有料版もありますが、はじめは無料で十分。↓のウェブサイトにいけばすぐ使えます。emailを登録すると、過去の会話履歴を見られたりもします。詳しくは「ChatGPT 使い方」などで検索してみてください。
「たたき台はAI」、「加工は人間」で分業する
ここからは、いくつか具体的な使い方を紹介していきます。
まずフリーランスや副業をされている方なら、メルマガやブログの案を考えてもらう、セミナー資料を作ってもらう、というのがとっつきやすくていいかなと思います。
白紙から考えるのは腰が重いですが、「初めの一歩」をAI先生にお願いし、そこから、肉付け、修正を加えていくと負荷が軽くなります。
これから副業を目指す人なら、過去の職務経歴や自分の得意なスキルなどをAI先生に徹底的に読んでもらって、そこから自分ができそうな副業のジャンルや商品の企画を提案してもらうのもよいかもしれません。つまり、できるだけ、AIをパーソナライズ(自分用にカスタマイズ)させておくのです。
具体的には、ChatGPTなら、ブログのリンクを貼り付けたり、資料をアップロードしたりしておき、「この情報を参考に、副業を目指す人のために有益なnoteの記事案を10個提案して」という風にすると、一般的な回答+あなたの過去の経験が反映された提案が出てきます。
極論を言えば、自分の分身をコンピューター上に作ってしまい、その分身から、今自分に必要な情報を取り出してくるようなイメージかと思います。
ただし、事前に読み込ませる情報について、プライバシーや個人情報には注意してください。この問題も、↓のように、将来技術が進展すれば、多いに改善すると私は期待していますが、現時点では適切な配慮が必要です。
利用前におさえておきたい注意点
生成AIとたわむれるようになって操作に慣れてくると、生成物をどんどん利用したいと思うようになってきます。でも、ちょっとお待ちください。使用前に絶対要注意なことがあります。
それは、「生成物をそのままは使わない」こと。
当たり前なようですが、わりと落とし穴だったりするので、あらためて書いておきます。
「そのまま使わない」の理由は主に2つ。真偽性と著作権の問題です。
まず真偽性ですが、要は「嘘が混じってるかもしれないので、よくチェックしましょう」ということです。AI先生と自在に会話ができるようになると、つい錯覚してしまうのですが、AIは人間の言葉を「理解」はしていません。膨大なデータの学習により、もっとも組み合わされやすい言葉のペアを「確率的」に選んで、生成しているだけなのです。
どういうことか。
たとえば、我々人間は、りんごを見て、色は「赤い」とすぐに理解しますよね。けれど、AIは「りんご」を「赤い」とは思ってはいません。その代わり、「りんご」と一緒に使われる単語を、学習データの中から探してきます。
その結果、「りんご」は「黒い」よりも「赤い」とともに用いられる確率が高いことを発見すると、それをもとにして、「りんごは何色ですか?」という質問に「赤い」と答えるのです。
これがAIのウラ側で動いている一番基本的なしくみです(「緑のりんごもあるでしょ」というツッコミが来そうですが、話を単純化しているので、ここでは無視してください)。
ですので、時には確率にもとづく計算が外れて、嘘をつくことがあります。
そこで、AIの出力結果をチェックするのが必須になるのですが、その際は↓で言われている、サンドイッチ方式という考え方がとってもわかりやすい。
この引用箇所は、本文では画像生成AI活用時の注意事項として述べられていますが、その他のAIにも共通して導入できる考え方でしょう。
なお、サンドイッチを何度も繰り返すので、より層の暑い「ミルフィーユ方式」と呼んでもいいかもしれません。
いずれにせよ、指示→チェック→指示→と何層にも渡ったキャッチボールが必要になるということです。
続いて2点目、著作権の注意点です。ただ、これに関しては、技術の変化スピードに法律の整備が追いつかないため、はっきりとした結論は出ていません。
「AIを利用して生成した画像などが、既存の著作物と極端に類似していないかを可能な範囲で調べる」というのが、現時点でできる最低限の注意かと思います。
一方、少なくともネット上の既存の著作物(文章、画像など)をAIの学習目的に限って利用する場合、権利者の許諾は必要ありません。
AIと人間の共存に向けて:鍵は「真心」にあり
ここまで、AIと付き合っていく上での基本的な注意事項をお話ししてきましたが、ここで、「AI時代に人間に求められる能力は何か」という点に触れておきたいと思います。
それは、ひと言でいえば「真心と思いやり」。
このまま技術が加速していけば、日常の大半のことは、ほぼAIによって代替可能になるでしょう。
では、その果てに、最後に人間に残るものは何なのか?
それが「真心と思いやり」だというのは、実に納得度の高い回答です。
この300年ほどで人間が形成してきた近代社会は、主に「言葉」と「数字」が社会の原動力であり、同時に、社会に安定性をもたらす主要因でもありました。具体的には、言葉とは「法の支配」であり、数字とは「自由市場での取引」です。
言葉と数字は突き詰めるととっても難しい。だから、これまでは「難しいことを理解する能力」が、一つの大きな価値でした。
ところが、これまでみてきたように、この能力はほぼAIによって代替されます。
その結果、社会における価値が「いかに人を思いやり、やさしくなれるか」にシフトしてくるというわけです(もちろん、「言葉」と「数字」の有用性がゼロになることはないわけですが、依存度は大きく低下するでしょう)。
真心と思いやりとやさしさ。。。いずれも、私には不足しがちな成分ですので、AIとの対話を通じて育てていきたいと思いますw
今日からはじめる生成AI活用のための3つのベイビーステップ
さて、今日の【三脚読書】は「生成AI」についてでしたが、いかがでしたか? 歴史を動かす壮大なテーマだけに、長くなってしまいましたが、少しでも何かのお役に立っているようでしたら嬉しいです。
最後に、今からできるベイビーステップを3つをご紹介しておきます。
(1)とりあえずAI本を1冊読んでみる。
この先、人生が生成AIの影響を受けないという人はおそらくいません。だから、生成AIは誰にとっても必修科目です。そのため、学校でも少しずつ教えられるようになりましたが、大人はまず本を1冊読むことを強烈におすすめします。
最初に手を取るなら、今日最初に並べた『生成AIで世界はこう変わる』がよいでしょう。「東大で一番読まれた本」だそうです。
とはいえ、難しくはありません。最前線の研究者の方が、一般向けにわかりやすく解説してくれています。なにより、バランス良く、こんにちのAIの世界を網羅してくれています。興味のある人はAIのウラで動いている技術についても明るくなれます。
具体的なAIの活用例が知りたい方は、2冊目の『生成AI 社会を激変させるAIの創造力』に詳しく載っています。
3冊目の『教養としての生成AI』は、元原稿をすべてAIが書いていますので、同じことをやってみたい人にはぜひ参考に。
(2)友人に活用法をシェアしてみる。
AI技術は急速に進展していて、「昨日まで不可能だったことが今日はできるようになっている」ことがざらにあります。それだけに、まだ正解は定着していません。ですので、ユーザ同士のシェアがとても大切です。
たとえば「ChatGPTに、”ヘルシーな夕食の献立考えて”と頼んだら、こんなの出てきたよ」とか、日常の小さなことから、ご自身がAIを活用して得られたことを友人にシェアすると、喜ばれるし、ご自身の勉強にもなって一石二鳥です。
(3)AIを無邪気な子どもだと思って接する。
最後の3つ目は、「AIは無邪気な子どもだと思ってやさしく接したらどうか」というご提案です。
AIは「なんでも知ってる」天才すぎる子どもですが、素直に無邪気にアウトプットを出してくるだけに、大いなる間違いをやらかすこともしばしば。
そんなときは、子育ての寛大な心で大目にみてあげましょう。
このように、実はAIの学習も人間が成長する段階での学習プロセスとあまり変わりません。そうすると、実はAIが人間らしく愛らしく見えてきたりもするものです。
「真心と思いやり」は、人だけでなくAIに対しても持つのが粋な心がけです。
それでは、今日もお読みいただきありがとうございました。
本日ご紹介した3冊はこちら↓。
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