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鬼の住む山(二人用声劇台本・BL)

紫音(しおん)
ゆう


紫音『鬼の住む山結ぶ山、笑えば喰われ泣けば吊るされる』

ゆう『それは何?何の詩(うた)?』

紫音『人間達が作った私に向けた詩(うた)だそうだ。実に面白い』

ゆう『面白い?貴方は何もしないのにね。僕を助けてくれた。人間を喰ったりなんてしないよね?』

紫音『…さて、どうだろうね』

ゆう『………』

紫音『私が怖くなったかい?』

ゆう『ううん。でも、今度人間を喰う事があるなら…最初に僕を喰ってくれない?そしたら僕は人を喰らう貴方を見なくて済むから…』

紫音『…お前は馬鹿だね』

ゆう『馬鹿なんて酷いなぁ…本気で言ってるのにさ』

紫音『本当の鬼はどっちだろうね…』

ゆう『…え?』

紫音『いや、何でも無いよ』

(少し間を置いて)

紫音『何故お前がこんな姿に!?』

ゆう『…ご…め…人間を…許して…』

紫音『許してだと…?これは人間の仕業か!?私と一緒に居たからか!?お前も鬼と間違えられたのか!?』

ゆう『ふふ……』

紫音『…何故微笑む?私を置いて逝く前に…』

ゆう『だって、貴方は憎しみに染まってはいけないから』

紫音『っ…ならば…私も一緒に…』

ゆう『貴方も馬鹿だよ…そんな事したら僕を喰えないよ?』

紫音『人間など喰わぬ!元々そんな不味い物喰えるか!』

ゆう『…よかった…僕ね、貴方を愛してる。だから喰われても本当によかった…』

紫音『…大馬鹿者め…』

ゆう『それは…お互い様』

紫音『おい!目を開けろ!!これで終いはないだろう!?人間を憎むなと残酷な……人間共は一体どれだけ私から奪ってゆくのだ…許さぬ…絶対に………ゆう、お前に免じて復讐はしない…だが…せめて憎ませてくれ…私もお前を愛している…』



ーFin

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