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清風堂のおすすめ vol.19(2024/2/11)
こんにちは、清風堂書店の谷垣です。
最近『不完全な司書』(青木海青子)を読んでいます。ここのところ読書する時間も気力もまったくなく、こんなので書店員をやっていていいのだろうかとすこし沈んでいたのですが、本書を読み進めるうちにちょっとずつ元気になってきました。青木海青子さんの文章のなせる技なのかもしれません。以前、内田樹さんがこのようなことをおっしゃっていました。
『不完全な司書』の文体は透明感があって、繊細で、優しくて、でも時々刺すように鋭い。彼女だけの、誰にも真似のできないオリジナルな文体です。海青子さんにどこの出版社が「小説を書きませんか?」とオファーしたらどうなるかな。僕はすごく読みたい。 https://t.co/2g7fAIvIpK
— 内田樹 (@levinassien) January 10, 2024
「優しくて、でも時々刺すように鋭い」というのが的確な表現だとおもいます。これ以外に、私には言葉が見当たりません。ぜひ読んでみてほしいです。
これから出る本
筑摩書房の3月新刊より
『センス・オブ・ワンダー』森田真生(著・訳)
壊れようとしている世界を生き延びるために。若き俊英が、環境学の先駆者による世界的ベストセラーを訳し下ろし、同時にその未完の作品を今京都から書き継ぐ。
『日本の物流問題 流通の危機と進化を読み解く』野口智雄/ちくま新書
安くて早くて確実な、安心の物流は終わりつつある。戦後の発展史からボトルネックの正体、これから起こるブレークスルーまで、物流の来し方行く末を見通す一冊。
ここ数年、物流2024年問題が取り上げられ続けてきましたが、とうとうその年を迎えました。とくに書店で働く人間は読んでおかなければいけないと感じています。先日の大雪で荷物がストップしたように、物流なしに書店は成り立たないことを事あるごとに痛感します。
『資本論 第一巻 上・下』マルクス(今村仁司 他訳)/ちくま学芸文庫
剰余価値追求の終わりなき運動、資本主義。本書はそのメカニズムを詳細に分析し、社会科学史に聳え立つ。『マルクス・コレクション』版を全面改訳。
つい先日『マルクス 資本論 第3巻』(佐々木隆治)が出たばかり。マルクスに関しては何かと話題は尽きません。
『つながる読書 10代に推したいこの一冊』小池陽慈/ちくまプリマ―新書
SNSでつながった読み書きのプロたちが、十代に読んでほしい一冊を紹介しあう。人それぞれの思いが、言葉に乗り織りなされていく。君も本で他者とつながろう!
10代だけでなく、もちろん大人にも。小池さんの文章はとても素晴らしいので、ぜひ手に取ってもらいたいです。私のおすすめは『現代評論キーワード講義』(三省堂)。見開き1ページでキーワードを紹介しつつ、ブックガイドとしても機能するという稀有な一冊です。
伊藤紺さんご来店
大阪・書店ツアーのなかでお立ち寄りいただきました。ありがとうございます。いままで見たなかで一番印象深い色紙でした。
歌人の伊藤紺さまがご来店して下さいました!
— 清風堂書店@大阪東梅田 (@seifudosyoten) February 8, 2024
新刊『気がする朝』にサイン、さらに収録歌の色紙もかいて頂きました!(歌に風が入っていて嬉しい✨)
ありがとうございます!
装丁フェアの棚にて展開中です。 pic.twitter.com/YL9BDTYAs6
(終)
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