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【出産体験談】「無痛分娩」にすれば良かった~5つの後悔~

※どんな分娩方法でも、出産はリスクを伴います。本記事は無痛分娩を推奨するものではありません。

これは、"出産がトラウマ"になった私の体験談です。
『出産する人の大半は自然分娩だし、きっと大丈夫だろう。』
そんな理由で、深く考えずに「自然分娩」を選んだ結果、「無痛分娩」にすれば良かったと激しく後悔することになるのでした。

【はじめに】
陣痛から出産まで39時間以上!

私の場合、おしるしから始まり、人工破膜、陣痛促進剤、吸引分娩を経て出産となりました。

初産では平均で14時間ほどかかると言われていますが、「微弱陣痛」が原因でお産の進みが遅く、39時間以上かかりました。

「微弱陣痛」とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態。
(参考)https://medicalnote.jp/diseases/%E5%BE%AE%E5%BC%B1%E9%99%A3%E7%97%9B

【後悔①】
ご飯が食べられない!眠れない!

出産時に必要なエネルギーは、なんと約2,000kcal。
フルマラソンを走るのと同じくらいのエネルギーが必要だと言われています。

それにも関わらず、私は陣痛で食欲が無くなり、飲み物以外受け付けなくなりました。
そして、陣痛と陣痛の合間に寝落ちするくらいで、ほぼ眠れませんでした。

このような状態では、当たり前ですが、どんどん体力が奪われていきます。

最終的には「脱水状態」となり、点滴で栄養と水分を補給することになりました。

【後悔②】
まだ3cm?突然の人工破膜!

お産は大きく3つの期間に分かれ、第1期である陣痛の期間はさらに3つに分かれます。

【第1期】:陣痛の期間。
(1)準備期 (子宮口:0~3cm)骨盤の圧迫を感じ、生理痛のような痛みがある。
(2)進行期 (子宮口:4~8cm)背部痛が増し、腰部の痛みがだんだん下の方へ移る。
(3)極期 (子宮口:9~10cm)陣痛が強くなり、時々いきみたくなる。
【第2期】:赤ちゃんが誕生する分娩期。
【第3期】:胎盤の排出。
(参考)https://jp.moony.com/ja/tips/pregnancy/birth/intrapartum/pt0673.html
https://takaramaternity.com/birth-2/

通常は、子宮口が開いていくにつれて、陣痛の間隔は短くなっていきます。

・子宮口:4~6cm……陣痛周期:3分
・子宮口:7~8cm……陣痛周期:2分30秒
・子宮口:9~10cm……陣痛周期:2分
(参考)https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1386

初産では、第1期にかかる時間は12時間ほどと言われていますが、入院後18時間経過した時点で子宮口はわずか3cm。

陣痛の間隔が4~5分おきぐらいから短くならず、子宮口がスムーズに開きませんでした。

それでも生理痛のような痛みではなく、耐え難い痛みが続き、体力だけでなく気力も失いかけていました。

『産まれるのは、早くても明日の朝かな』

そんな先生の言葉に絶望し、「痛み止めはもらえないのか?」「帝王切開にできないのか?」と弱音を吐くようになりました。

なぜなら、明日の朝とは14時間後のことだったからです。(実際は、そこから21時間かかりました)

「こんな状態で耐え続けるなら、屋上から飛び降りたい」

頭の中では、ネガティブな感情が渦巻いていましたが、それは鋭い痛みと生温かさによって一変するのです。

『長いこと苦しんでいるようだから、破水させてお産が進むようにしたからね』

突然、内診をしていた先生に人工破膜をされ、絶叫する私。
入院してから20時間後の出来事でした。

「人工破膜」とは、内診のとき、赤ちゃんを包んでいる卵膜を破って、人為的に破水を起こさせる処置をいいます。破水をすると、子宮の内容量が減ることが刺激になり、お産が進む場合があります。
子宮口が開いてきて、陣痛も来ているのにお産の進行があまりよくないときに行われます。
(参考)https://st.benesse.ne.jp/word/shussan/content/?id=55925

【後悔③】
痛みはマックス?!陣痛が遠のく…

破水してから陣痛はどんどん強くなっていきました。
間隔は3~4分おきまで短くなったものの、1~2分おきにならないと出産に至りません。

『陣痛の強さはすごく良いよ。2分おき、もしくはいきみたくになったらコールして』

看護師さんいわく、NST(ノンストレステスト)では、おなかの張りが「最大値」を示していたようです。

NST(ノンストレステスト)とは、その名の通り赤ちゃんにストレスをかけずに赤ちゃんの心拍とお母さんのおなかの張りを分娩監視装置という機械でグラフ化することで、「赤ちゃんが元気かどうか」を見る方法です。
お母さんのおなかに赤ちゃんの心拍を取るためのものと、お母さんのおなかの張り(子宮収縮)を取るためのものの2種類のセンサーをつけます。
(参考)https://yamate.jcho.go.jp/ka_sanfujinka_nst/

「最大値なら、もうすぐかな」

淡い期待を胸に、陣痛と向き合うこと5時間。
一向に2分おきになりません。
それどころか、強くなる痛みとは裏腹に、陣痛の間隔は少し伸びていきました。

期待は見事に打ち砕かれ、またしてもネガティブな感情が渦巻き、「赤ちゃんが弱って帝王切開になれば良いのに」と最悪なことばかり考えていました。

そんな中、「いきみたい」衝動にかられ始めます。
藁にもすがる思いでナースコール。

結果、子宮口7cm。
絶望感しかありませんでした。

そして、ここから「いきみ逃し」が始まりました。
子宮口が全開になるまでは、産道や赤ちゃんに負担がかからないように、いきみたくても我慢しなくてはいけません。

そんな状態にも関わらず、トイレに行かないとお産が進みにくいと言われ、必死の思いで用を足しました。(分娩室内にトイレがあります)

「途中で陣痛が来たらどうしよう」という不安は的中し、新しいナプキンに交換したパンツをあげようとしたところで陣痛が到来。

ドアにしがみつく私、そして床に流れ出る血液の混じった羊水、床に転がる使用済みナプキンと悲惨な光景になりました。

それから2時間後、相変わらず陣痛の間隔は短くなりません。
しかし、「いきみたい」ではなく「いきんでしまう」状態になり、ナースコール。

『全開になったね!』

助産師さんが分娩台で準備を始めました。

【後悔④】
恐怖!陣痛促進剤からの吸引分娩!

子宮口が全開になったことで、あとは陣痛が来たタイミングでいきむだけです。
助産師さんの介助を受けながら、何度も何度もいきみます。

『すごく上手。目をつぶらずいきんで』

しかし、赤ちゃんの頭が出てきません。

いきんでは痛みと疲労でガタガタ震え、汗が吹き出し、吐き気で胃液がこみ上がってくることが繰り返されました。

その間、助産師さんに何度も子宮口に手を突っ込まれ、赤ちゃんの状態を確認されます。
我が子は頭の大きさが10cmと大きめだったせいか、頭は触れられるのに出てこないという状態が続きました。

どんどん疲弊していき、脱水症状が見られたため、栄養剤を点滴をすることになりました。

そして、また何度も何度もいきみます。
途中、今度は自力でトイレに行けないため、導尿もされました。

しかし、またしても陣痛の間隔が伸びていきます。
子宮口が全開になってから3時間、赤ちゃんの頭が子宮口から出ることはなく、「陣痛促進剤」を投与することになりました。

「陣痛促進剤(子宮収縮薬)」とは、出産を促すために陣痛を起こしたり強めたりするものです。人工的に陣痛を起こす誘発分娩(分娩誘発)の時や陣痛を強める陣痛促進が必要な際に用いられます。
(参考)https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/219

この時は、早く産みたい思いよりも、さらに陣痛が強くなる「恐怖」しかありませんでした。

点滴に陣痛促進剤が投与されると、しばらくしてドンッとかなり強い陣痛が襲ってきました。

そして、何度も何度もいきみます。
それでも頭が出てきません。
またしても、陣痛の間隔が伸びていきました。

陣痛促進剤を増量。
「恐怖」に震えます。

陣痛は間隔が短くなり、強さも激しさを増していきます。
それでも頭が出てきません。
陣痛促進剤を投与してから2時間経過、心身ともにボロボロでした。

『産道がすごくむくんでパンパンに腫れ上がっている』

助産師さんが先生に電話している声が聞こえてきました。
幾度となく子宮口に手を突っ込まれた結果、赤ちゃんが出にくくなっているようでした。
そして、長引く陣痛で衰弱していたため、「吸引分娩」となりました。

「吸引分娩」とは、胎児の頭部に吸引カップを密着させて陰圧をかけ、カップの柄を陣痛発作に合わせて牽引することにより、胎児を娩出させる方法。
(参考)https://www.mcfh.or.jp/netsoudan/article.php?id=1491

先生1人、助産師さん2人の3人がかりで準備を進めます。
血が飛び散らないようにブルーシートをかけられ、会陰部分に麻酔を打った後、大きなハサミで切開、そして吸引カップを入れられました。

『お母さんが産むんだからね』

先生が諭すように言いました。
陣痛にあわせていきみ、吸引カップで引っ張られますが、それでも赤ちゃんは出てきません。
(この時、赤ちゃんの頭だけ吸引して、その後は自力で産むものだと勘違いしていました)

『次の陣痛で産むよ』

いきむと同時に、先生がお腹の上を両手で力強く押します。

次の瞬間、赤ちゃん誕生!!
3,700gの元気な男の子が産まれました。

「終わったんだ。赤ちゃんが泣いた。良かった」

【後悔⑤】
痛すぎる麻酔なしの縫合!

赤ちゃんが無事に誕生して安心したのもつかの間、陣痛以外に激痛を味わうことになるとは思ってもみませんでした。

吸引分娩が原因で、膣が裂けたのです。

裂けた瞬間の痛みは全く感じませんでしたが、とにかく縫合が激痛!!

なぜなら、体内である膣部分は「麻酔なし」なのです。(会陰切開をした部分は、体の表面なので麻酔されます)
陣痛とは全く違うひと針ひと針縫う痛みに、脂汗と涙が止まりません。
1時間近く縫合しました。

それ以来、鎮痛剤や円座クッションで痛みをしのぐ日々が1ヶ月近く続きました。
初めはうずくような痛みでしたが、だんだんと糸のひきつれが強くなり、焼け付くような痛みに変わっていきました。

数ヶ月経った今では、痛みは全くありませんが、しこりのようなものが残っています。

【終わりに】
二度と産みたくない?

「出産が怖い。」

出産を終えて、出産前にはなかった気持ちが芽生えてしまいました。

正直なところ、同じ苦しみを味わうのであれば二度と産みたくありません。

しかし、我が子は本当に愛おしいですし、産んで良かったと心から思います。

幸いにも二人目を授かることができた場合、あの痛みが和らぐのであれば、絶対に「無痛分娩」を選びます。

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