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日本気象協会創立記念日

 5月10日は、「日本気象協会創立記念日」です。1950年のこの日、「一般財団法人 日本気象協会」(Japan Weather Association: JWA)が運輸省(現:国土交通省)所管の「財団法人 気象協会」として設立されました。1966年に気象協会は関西気象協会、西日本気象協会と合併し、「財団法人 日本気象協会」となりました。その後、国の公益法人制度改革に伴い、2009年10月1日に一般財団法人に移行し、「一般財団法人 日本気象協会」となりました。同協会の本社は、東京都豊島区東池袋にあるサンシャイン60の55階にあります。地域拠点は5箇所で北海道支社(札幌市)、東北支社(仙台市)、中部支社(名古屋市)、関西支社(大阪市)、九州支社(福岡市)となっています。気象情報の観測・予報、その情報の伝達・配布、気象知識の普及、気象関連器具の製作・販売などを行っています。
 昨今、気象の激甚化や地球温暖化、エネルギー問題、情報化社会の進化、超高齢化・少子化社会の到来など、世の中の状況が大きく変化してきています。日本気象協会は「気象(気象、地象、水象等)に関する科学及び技術の進歩に協力するとともに、気象に関する知識、情報の普及を図ることにより気象に関する事業の発展を図り、もって公共の福祉の増進に寄与すること」を目的に創立され、昨年は創立70周年を迎えた民間の気象会社です。世界規模での気象の激甚化、社会が大きく変化・多様化していく中で、多くの企業経営者は変化に伴う影響の予測と、技術革新を活用しながら迅速に活動をすすめることが求められています。日本気象協会はAIやIoTの活用によって気象の調査解析、情報提供精度の向上を行っています。気象変動への適応、エネルギーマネジメントや気象リスクマネジメント対策の提案、食品ロスの削減、社会の効率化など、様々な問題から持続可能な世界を実現する活動がますます重要となっており、これを支援することは今や必須だと思います。
 東京の天気予報(夕方発表の明日予報)の的中率はおよそ85%と言われています。気象庁では天気予報がどれくらい当たったかという検証を行ってきており、「天気予報の精度検証結果」というページ(http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/kensho/yohohyoka_top.html)にまとめられています。そのページによると、東京地方の降水有無の的中率はおよそ85%となっており、1990年代と現在を比べると、その精度は着実に上ってきています。そして、全国平均では「降水あり」の予報がされているときに実際に降水があった率はおよそ75%、「降水なし」の予報がされているときに実際に降水がなかった率はおよそ85%となっています。「降水あり」「降水なし」の間で的中率に10%も差があります。地域差もあるのでしょう。さらに注目すべきは、週末の予定を決めるときに参照することが多い、週間天気予報の精度は、3~7日先の平均ですが、「降水あり」の予報がされているときに実際に降水があった率はおよそ65%、「降水なし」の予報がされているときに実際に降水がなかった率はおよそ75%となっており、精度はさらに10%近く下がってしまいます。
 当然のことながら、日が近づけば近づくほど精度は上がっていくので、週末の予定を決める場合はなるべく近い日まで待つことが大事ですね。特に週間天気予報で「降水あり」となっていても、3回に2回しか当たらないということなのであきらめないようにしたいものです。しかし、夕方発表の翌日の天気予報は4回に3回はあたるので短期の予報精度は着実に上ってきていると言えるでしょう。それでも「降る」と言って実際に降らないことが4回に1回くらいはあるということです。北上の天気も弊社のある岩手県の西部(秋田県境寄り)になると様相が全く変わってくるので天気予報が難しい地域と言えるのかもしれません。農業は天気次第で作物の実りや収穫が変わってくるので天気予報の情報は非常に大切です。気象予報会社も予報精度の正確性で競っているのでしょうか。長期の天気予報はまだまだ参考レベルですが、実際、天気予報というのは非常に難しいものだそうです。気象予報士試験の合格率が5%という難関は、気象の知識のみならず、物理学・化学の基礎知識まで幅広く問われることが背景にあるようです。人気が高まっているとはいえ、この資格を習得するためには相当な時間と労力が必要となるようです。降水被害が毎年、激甚化している昨今、ますます天気予報が難しくなってきていると思いますが、テレビなどで発表される天気予報や予報士の見解にあらゆることが左右されることは想像以上に多いのも現実です。日本気象協会には私達の日々の生活の中で気象が関係する様々な出来事に対する有益な情報提供を行っていますが、これからもより精度の高い情報提供を期待したいと思います。

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