見出し画像

銭湯の日

 10月10日は我が国で初めてのオリンピックが東京で開催された日です。これを契機に国民のスポーツに対する意欲が高まり、健康増進の目的でスポーツ人口は年々増加しています。スポーツで汗をかいた後に入浴することや、銭湯での入浴は健康に良いことが入浴実験でも証明され、スポーツと入浴は密接に関係していることが判明しました。人間の身体は、運動をして筋肉の温度が39℃になると「リパーゼ」という脂肪分解酵素が活発になって脂肪が燃焼するのですが、脂肪の燃焼は運動を開始して20分後から始まり、運動終了後も約30分間は余熱で燃焼します。筋肉の温度が40℃以上になってしまうと「リパーゼ」の働きが鈍くなってしまって脂肪が燃焼しにくくなってしまうので、運動後すぐに熱いお風呂に入ってしまうと脂肪の燃焼効率が下がってしまいます。運動後の効果的な入浴方法は、運動後30分経ってある程度クールダウンしてから入浴するか、シャワーを浴びながら30分待ってから湯船に浸かると脂肪燃焼効果を損なうことのない良い入浴になります。また、湯船のお湯を39℃くらいのぬるま湯にして、20分以上ゆっくり筋肉の疲れた部分をもみほぐしながら浸かると筋肉痛が残りにくく、疲労回復に効果的です。このような理由により、10月10日を銭湯の日として申請し、平成8年に日本記念日協会の登録認定を受けました。
 銭湯は、温泉よりも気軽に立ち寄れる公衆浴場ですが、家風呂普及率が上昇するとともに銭湯の軒数は減り続け、かつてはお風呂好きな日本人の憩いの場だった銭湯の軒数は最盛期には約2万軒あったものが、現在は4000軒を大きく下回っています。つまり、日常生活で身体を洗って清潔を保つための入浴であれば、ほぼ家庭内で事足りるようになったので銭湯へ行く人が少なくなったのでしょう。ただ、大きなお風呂にゆったり漬かる文化は依然として健在です。銭湯以外の公衆浴場は2005年以降、2万軒超で推移しており、うたせ湯やジェットバス、ミストサウナ、漢方風呂など様々なタイプの風呂を組み合わせて楽しめるスーパー銭湯、日帰りスパなどの大型温浴施設は、手軽なレジャーとして一日中遊んで過ごせるような人気で市民権を得ています。各都道府県の条例によって料金の上限が決められている銭湯と異なり、大型温浴施設は自由料金、自由競争です。保養・休養を目的とした銭湯以外の公衆浴場は、銭湯のように料金の規制を受けないため、露天風呂やサウナ、食事処、理髪店、ボディケア、マッサージなどといった付加的施設を併設することで銭湯との差別化を行い、高付加価値化することで銭湯より料金を高めに設定し、営業時間も長く、月に1~2度のメンテナンスを除き、年中無休を基本としているので、集客に力を入れる施設も多く、活力が漲っている感じです。
 気温が下がってくると、ゆっくりと湯船に浸かりたくなります。銭湯は、家の風呂と違ってゆったり入れるのが気持ち良いですよね。昔、学生時代には東京に下宿して、銭湯にお世話になりました。銭湯ならではの叙情感もあっていい感じでした。大きな風呂でゆったりと浸かりたいというニーズから銭湯の奮闘ぶりも昨今は目が離せません。人気の炭酸泉、黒湯、ジェットバス、電気風呂など、お湯のバラエティを取り揃え、工夫を凝らすなど、「安い入湯料にもかかわらず、家族みんなで大満足!」という銭湯も増えてきています。「銭湯の日」にちなんで「ラベンダー湯」や様々なイベントが銭湯で行なわれています。北上市には普通の銭湯はないようですが、日帰り温泉を含め、「銭湯の日」にちなんでイベントが行なわれているかどうか、ネットで確認して、健康のためにスポーツをした後にお近くの浴場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?