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昨日と今日と明日のボク                   


      しあわせってなんだろう
     いきるってどういうことだろう
      じぶんらしくいきるって
      すきなようにいきるって
     いったいどういうことなの?
          きっと
         いのちって
         いきるって
        ふくざつそうで
      しんじつはとてもシンプル
           さぁ
       みみをかたむけてみよう
        ぼくたちのこころに




「お母さんなんて大大大嫌い!!!
ボク、他の家に生まれたかった!!」
あの夜ボクは
自分のことを否定されたような
そんな気がしたんだ。

その日、ボクは夢を見たんだ。

今までと全く違うものが
地球の中から外に出た。 

ベロンと何かがはがれ落ちた。

風が舞って霧がはれた。

そこにはピカピカの地球が。

ただただ
地球の変化をながめるリアルな夢だった。
あの夢はなんだったんだろう・・・。
目が覚めてからも
何故かスッキリしない。

ボクは目をこすりながら
窓の隙間からのぞく光の方をみた。
視界に映っている何かが、、違う。
えー⁉️えー⁉️

今の状況を理解するのに
少しの時間が必要だった。

足元にあったものが
今は上にあったり横にあったり。
部屋の空間ひとつとっても
あべこべ。

まさか!?
ゆっくりと窓の方へ移動し
カーテンをおそるおそる開けた。
これはきっと夢に違いない
という希望を持ちながら、、、。

「・・・・。」
言葉を失うってこういうこと?
と、どこか冷静な自分もいた。
目の前には
あべこべの世界が広がっていた。

なぜかボクの位置から
目で見えるものだけでなく
心の中の眼で見渡して
全てが見えるという
今までに感じたことのない感覚だった。

まだ夢の中だろうと
ボクはこの不思議な感覚に
疑問ももたなかった。

外に出てみよう
とりあえずリビングに行ってみた。

「お母さん・・?お父さん・・?」

両親がいない。
ボクの声だけが、部屋に響いていた。

いつもは出かけるなら
声を必ずかけてくれるのに・・・。
と一瞬頭をよぎったが
昨日の怒りが残っていたボクは
考えるのをやめた。

それよりも
外の世界で何が起こっているのか
確かめにいくことにした。

しばらく歩いていると
1羽のトリが
パニックになっている仲間たちを
一生懸命になぐさめていた。
「どうしたの?」
その時もボクは
何となく言葉が通じるってわかっていた。

「ボクのしゃべっていることが
わかるッポ!???」

「うん、どうやらそうみたい。」

「わかるっポ?わかるっポー?
なんか、、みんなが変なんだよ。
なんにも通じないッポー。
どうしよう・・・ッポー。」

「・・・。
この世界は本当に現実なんだろうか・・・
ボクも今の状況を知りたくて
いつのも草むらにいくところだったんだ。」

「あれ?
君としゃべっていたら
みんな居なくなっちゃったポー。。。」

と、今にも泣き出しそう。
立派なトサカは
ぐったりたれて顔が見えない。

「トリくん。
ボクもこれから
どうしていいかわからないから
探しにいくんだ。
なぜこんな世界になっているのか。
どうしたらいいのか。。」

「ボクもつれてってポー。」

「もちろん。」

1人じゃない安心感と
支えなきゃという責任感が
ボクの中で生まれていた。


「何かがおかしいわ。
いつもは頭があったかいのに
今日は足があったかい。
元の世界はどこへいっちゃったのかしら?
ウフッ♪
あれ?足あったの?わたし。
太陽の場所がわからないのよ〜♪」

急に草ぶえが聞こえたボクは
音のする方を探した。

なんと!!

根っこであるいているお花さんが
足もとから、叫んでいた。

ボクはしゃがんで
「君も?ボクも探しているんだ。」
と、返事をした。

「あなたも?
私も?
困ったわ〜♪
ルルル〜♫ウフッ。」

話しながら、根っこがくねくねしはじめた。

ボクは、どうしたら良いかよくわからなくて
立ちすくんでいた。

ふいに
「ゴーーーーーーーうわーーー!!
たすけてー!!」
という大きな声がした。

一斉に声?音?のする方を
みんなが見た。

そこに見えていたのは・・・

ジタバタしながら 
草むらの方に飛んでいくクマだった。
いや。
飛ばされているように見えた。

そんなクマを見て、みんなが怖がっていた。
「クマが飛ぶなんて、ありえないっポ!!」
ボクはあわてて
クマの飛んでいった方向へかけだした。

そこにいたのは
体がぱんぱんにふくらんだクマくん。
そんなクマを見たボクは
恐ろしさよりも
可愛いらしさえ感じた。
クマはおしりをさすりながら
話しだした。

「冬を越すねぐらを作ってただけだドン。
ちょっと休んでいたら
急にカラダがうきだして飛んじゃった。
あーびっくりしたドン。
何がおこっちゃったの??
君たちはだぁれ?」

「クマくん。ボクの言葉がわかる?」
クマくんがうなずいたのをみて
ボクは話しつづけた。

「起きたら
目の前があべこべになっていて・・。
どうしようか困って、歩いていたら
トリくんとお花さんに出会って・・。
そこに、クマくんが
飛ばされていったから
びっくりして見にきたんだよ。」

「本当にびっくりしたわ〰︎ウフッ♪
私も飛ばされちゃうかと思ったわ♪
土から出たの初めてウフッ♪
クマくんも初めて空を飛んでみたの?」
呆然としているクマくんに
ウィンクしながらクルッと回転してみせた。

「ボクは飛んだんじゃない!
飛ばされたんだドン!!」

「これは夢ドン…。
すぐ戻るドン…。
とりあえず
ここで寝ることにするドン。。。」

クマくんはまるで
初めからボク達がいなかったように
いびきを立てて寝始めた。


そんなクマくんを
鶏冠の陰からチラっとみて
「信じられないッポ。なんで寝れるッポ??」
と、あきれ顔で言った。

「このままじゃ、ダメだと思う。」
「何を?どこを?ルルル〜?」
「うーん。」
「このままだと
きっとみんな死んじゃうっポ〰︎。」
「どうにか変えていかないと。」

と次々に不安がでてきたが
良い案は見つからなかった。

「仕方がないわ。
 なんだか私もつかれちゃったから
 少し眠りたいウフッ。
 おやすみ〜🎵」

お花さんは花びらで顔をおおい丸くなった。

お花さんはおどろくほど
あきらめが早かった。。。

それをみたトリくんは
「ありえない。
   ありえない。
     ありえない・・・
       あり・・ぐうー。zzz。」
気絶するように
あっという間に夢の中へ。。
結局、ボクだけが眠れなかった。。。

突然でてきた夕日が
急に闇につつまれていく様子を
ただただ眺めていた。

どの位時間がたったのだろうか。
ボクも知らない間に寝ていたようだった。
まぶたの向こう側に
強烈な光を感じ目が覚めた。
あまりにもまぶし過ぎて
なかなか目を開けることができずにいた。

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