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金継ぎ 金繕い 散らかる文
【金繕い】
日本には、金継ぎ(金繕い)という修復する技法がある。主に欠けたり、割れたりしてしまった茶碗などを修復する。損傷箇所を漆で繋ぎ、金(金属粉)にて装飾する。
大事にモノを扱う。活かす。日本の人が持つこの感覚が好きだ。さらに独特で、ひかれる部分としては、傷にすら美を見出すという点である。
この感覚は、あまり見かけないかもしれない。
完璧な比率や対称なもの。傷一つ無い状態の良いもの。それらの美しさとは、別の感覚が其処にはある。
恐らく、金繕いのそれに名を付けるなら【愛おしさ】なのかも知れない。
その人の手の中で優しく微笑みあうような。
「いつまでも一緒にいたいね」
「歳を共に重ねてくれたね。」
だれかの感謝がこめられた祈りを、そこから感じる。
それは、私だけだろうか。
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むかし、金繕いを知人がよくしていて、うっとりしていたのを思い出しました。
先日、大きな地震があり、大切な物が壊れたり…ありました。正直、怖かった。
しかし、そんな動けないでいる私の中に、ふと金繕いの想い出が蘇り、どんなに形が変わってもなくならないものがある!とあたたかさを感じました。
傷は、もしかしたら治しきれないかもしれない。大切な物も、心も。
だけれど、それが大切であることに、何ら変わりはありませんでした。
前に進むとき、痛むときもあるのだろうと思います。しかし、同時にあなたの大切に守ろうとしてきたものが傷と傷の間を繋いでくれようとしています。
どんなに形が変わっても。
目に見えなくなってしまっても。
あたたかく其処にあるのだろうと思います。
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