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SPACの売り込みとこれがどのようにして投資家にとって危険となりうるのか【Internet Bull Report】

特別買収目的会社(SPAC)は最近投資家の間では話題としてもちきりである。


SPACsは基本的に販売活動のないブラックチェックカンパニーであるが、唯一の目的は民間企業を買収して上場させることである。この方法で上場した民間企業は投資家から従来の株式公開だと不可能だったかもしれないほどの多額の利益を得ている。


今年までに、SPACsはすでに企業のために1000億ドル調達している。


スポーツくじ企業のDraftkings (NASDAQ: $DKNG)Lucid Motors (NYSE: $CCIV)といった既存の企業は全てブランクチェックカンパニー経由で上場している。しかし、そんなSPACsの売り込みに夢中になるのは良い事ではない。目に見えている以上に多くのリスクがあるからだ。


株式の希釈化は株主のリターンに損害をもたらす

SPACが企業を買収しているプロセスの間に株式が希釈される方法はたくさんある。SPACのスポンサーが株式公開前の企業に十分な資本を提供することに対して株式で報酬を得るとき、最大の希釈がおきる。これらのスポンサーは初期のSPACが生き残るために必要不可欠であって、上場後の企業の株式の約20%を受け取っている。

ワラントも株式の希釈化に貢献している。ワラントは株式を権利行使価格で取引できるデリバティブである。SPACは最終的な合併に現金を追加しないIPOの間にワラントを発行し、さらなる希釈化を行う。スタンフォード大学の調査で株に対してこれらのワラントを返済する投資家への平均年間収益率が計算され、上場後に現金で戻ってきたSPAC株はたった67%しかないのに対し、残りの33%は希釈によって戻ってきたことが判明した。言い換えると、現金をもたらすことがない株式がかなりあるということである。いわば、「空」株である。

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買収対象に時間が限られていて企業のスクリーニングも時間が限られてしまう

SPACは持続可能な買収対象を見つけるのに普段2年ぐらい与えられる。そのあと、投資家のお金は投資家のもとに戻される。こうして時間に追われて、SPAC経営者の誠実さについての道徳的な懸念と将来的に株主になりそうな投資家とSPACの経営者の間の起こりうる利益相反が起きてしまう。SPAC経営者は期限が切れる前に持続可能な買収対象を見つけることに主に関心があるので、企業の質を確保するインセンティブはほとんどない。多くの投資家はこれを知らないので、投資する前に注意深くなってSPACの財務状況について深く掘り下げる必要がある。

投資家にとって、SPACが合併前に見ている大きな利益は見たくなるものである。これらの企業の売り込みは止まりそうになく、投機が起こってこれらの株が上昇してしまう。しかし、希釈化で企業が底まで落とされてしまうことがよくあるので、IPOの日が過ぎた後にSPACを保有することに用心しなければならない。例えば、CCIVは高級EV企業のLucid Motorsの買収のニュースがでた後たった1日で株価が25%も下落してしまっているのである。

同様に、投機的なSPAC株に今すぐに投資するかは注意深くしなければならない。多くのお金はSPACの人気買収対象であるテクノロジー・ヘルスケアから循環株に流れ込んでいる。




【Internet Bull Report】
海外の経済ビジネス情報サイト。世界中のいろんな企業の経営状況や財務状況の情報など。
URL; https://internetbullreport.com/

翻訳記事;”The SPAC Hype and How it Could be Dangerous for Investors

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