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環境改善のための水素燃料電池、はたして普及に成功するのか?【Internet Bull Report】


ここ何十年にも及ぶ世界的な気候変動をみてみると、一つの事実が顕著になっている。それは人類が発電や交通などで膨大な二酸化炭素を排出しているということである。


水素燃料電池

ヨーロッパなどでは、使用できる燃料のタイプや化石燃料の量が制限され始めていた。

アメリカがまだ月面着陸を目指しているとき、コンピューターや空気処理システム、照明などを宇宙カプセルで使うために宇宙飛行士たちは電気を必要としていた。そこでNASAが見つけた解決策というのが水素燃料電池だった。この電池は電力を生み出し水蒸気を使い尽くすものである。

燃料電池が自動車に使われていることは一般的に知られていることだが、実はそれ以外にも船や産業や家庭でも使われているのである。

燃料電池の中では、電荷が化学反応によってつくられている。その化学反応というのは水素と酸素の間でおきるものである。その水素と酸素は触媒としてはたらき、そこで電荷が大きくなるというわけである。

水素以外にも燃料電池はあり、それらは汚染燃料を使う(それらについてはまた今度書くとする)。

水素の良い点は温室効果ガスの代わりに水を発することである。

水素には一つ不便な点がある。それは自動車に使われる一般的なガスよりもエネルギーが少ないということである。よって、水素自動車には大きなタンクが必要となってしまう。そのタンクは水素を一般的な燃料よりも高加圧下でかつ低温で貯蔵するものである。

燃料電池は長い移動などにも使えるのか?

燃料電池車はチャージするのに時間がかからないが電気エンジンを使っている。水素は特異なガスポンペから補充されている。

範囲は様々であるが、トヨタには満タンで317マイル(約510km)を走行できるモデルが一つある。

電池を使う電気自動車は200マイル(約322km)を走行できる。例えば、電気自動車でアメリカのメイン州ヨークからフロリダ州マイアミにいくとしよう。距離は約1600マイル(約2575km)である。

ノンストップなら一日で済ませられる。しかし、電気自動車の場合、200マイルごとに約8時間止まらないといけなくなってしまい、すごく非効率的になってしまう。

水素燃料電池車は必要な時に止まって補充できるが、そのためのインフラ整備がもう少し必要となる。

スピードという点では、電気自動車は何も問題もない。事実、Teslaがそれを証明している。

しかし、アメリカでそれを運転するには不便な点が三つある。その三つは以下のとおりである。

1. 充電する場所が少ない
 カリフォルニアには200ヵ所ものステーションがあって南カリフォルニアとサンフランシスコにある。コネチカットには一つしかない。フロリダ中部には一つだけある。米国内ではほかにないのである。ヨーロッパにはもっとあるのだが、そこでも改善すべき点がたくさんあるそうだ。

2. 燃費が高い
 現在、水素は1キログラムあたり14ドルし、1ガロンあたり5.6ドルもする。

3. 自働車のコストが高い
 実際、従来のガス自動車よりもかなり高額である。しかし、大規模な生産によってそのコストも下がるであろう。事実、数年前の電気自動車の電池はものすごいコストがかかっていたが、今ではそれも下がってきている。2025年までには1キロワット時あたり100ドルまで下がることが望まれている。


燃料電池車の追加コストの要因は電池の追加が必要というところにある。燃料電池は電力をつくりだすが、ほとんどの場合それを電池に送る。そこで、その電池は電力を送って車輪を回すのである。

またトラックなどの大型車にとっては、追加の電池を入れるためのより大きなスペースがあるのですごく良いと信じる意見もあるという。

現在の自動車企業ではどんな車が手に入れられるか?

今年アメリカで利用可能なモデルはホンダ・クラリティ、ヒュンダイ・ネクソやネクソ・ブルー、そしてトヨタ・ミライである。しかし、ほとんどの大企業(GMやフォード)もこういった自動車を改良し生産している。また、トラックやバスにも水素燃料電池を使うものもある。2019年12月時点では、世界中に産業用のトラック25000台とバス400台が水素燃料電池を使っている

どの市場がどういった目的で水素を利用するのか?


1. 中国
      -  2019年、100ヵ所のステーション確保。
      - 政府は2025年までに5000台の自動車を目標としている。

2. フランス
      - 水素テクノロジーのために1億1700万ドルの投資プランを開始した。

3. ドイツ
       - 車以外にも使い道があるとみている。産業における二酸化炭素排出量の減少のために水素を使うという考えもあるという。

4. ノルウェー
       - 船に水素を使っている。

5. 韓国
       - 18億ドルをステーションとFCEVの補助金として費やす予定。

6. 日本
       - 2019年時点でFCEVが最も発展している

7. アメリカとカナダ
       - 2019年秋の時点では、カリフォルニア以外では遅れをとってしまっている

水素燃料電池は独立した発電システムとしてもバックアップ用の発電システムとしても使われる。例えば、Fuel Cell Energyという企業はテニスコートぐらいのサイズのものに1.4メガワットの電力を供給できるようなものを製造している。Plug Powerという企業はいろんなタイプの燃料電池や燃料電池のエンジンを製造している。


もし投資するなら何を考慮するべきか?

水素関連の株はたくさんある。ちなみに、この業界はまだ発展途上である。つまり、多くの企業はまだ大きな利益を得ているわけではない。故に、水素とほかの燃料を混ぜたものを売る企業もある。

ほとんどの企業には見込みや見積もりがあるとみられているようだが、困難に陥り始めているところも存在していて、そういったところは自分たちの主張が正しいと証明する努力をし続ける必要がある。結局は時が来ないとわからないものである

しかし、状況が悪化すると、業界にとって最も良い時代が訪れることはあり得ないことになってしまうだろう。業界比較の観点からだと、分析家は電化製品の業界に向かっている。

どういった株を考慮するのか?
1. Fuel Cell Energy(ナスダック)
2020年10月15日時点で株価は2.43ドルとなっていて52週間の最高値の3.5ドルをわずかに下回っている。過去12カ月でほぼ4%減少している。

EPSは過去12カ月で- $.58となっている。とはいうものの、EPSは同時期に93.26%成長しているのである。同企業はエクソンという企業と提携しており、主な事業は分散型発電用の定置型燃料電池発電所である。

2. Plug Power(ナスダック)
 2020年10月15日時点で株価は過去最高の14ドルを上回っている。

 同企業は、北米や欧州の電気モビリティや定置型電力の市場向けの水素燃料電池のターンキーソリューソンを主な焦点としている。

 同企業は世界中で商業用と家庭用のシステムを提供している。EPSは過去12カ月で“-$.29”となっている。とはいえ、歳入は同時期に35.35%上昇し、EPSも21.62%上がった。Plug Powerの科学技術はウォルマートやアマゾンでフォークリフトに使われている

3. Ballard Power (ナスダック)
 株価は一時下落したものの、2020年10月15日時点では過去最高の21.61ドルにゆっくり向かっている。同企業はカナダを拠点としていて、主な事業はプロトン交換膜燃料電池製品関連(設計,開発、製造、販売やサービス)や、丈夫なモジュール、燃料電池スタック、電力補強システムおよびポータブル電源の提供である。

 同企業のEPSは過去12カ月で“-$.18”となっている。EPSは同時期に-11.76%下がっているものの、歳入は26.88%上昇した。

4. Bloom Energy Corp (NYSE)
 直前で少し下落したものの、 2020年10月15日時点での株価は同年8月に出した最高値の19.67ドルを突破し、20.73ドルに落ち着いた。ちょうど一年前のこの月はたったの2.44ドルと安値であった。

 同企業の焦点は現地発電用の固体酸化物系燃料電池システムの設計、製造、販売である。過去12カ月のEPSは-$1.97だった。同時期での歳入は17.92%まで上昇し、EPSも43.39%まで上がった。

といったように、水素燃料電池の業界はついに本当に発展し始めているということがわかる。適用範囲は車からフォークリフトまでとすでに広まっているのである。


見込みはたくさんある
新しいかつまだ利益を得ていない多くの企業株は上昇していた。しかし、まだ伸びていない企業もある。どんな新しいテクノロジーにも大きなリスクはつきものだ

これらの企業はまだ収益性の長い実績を確立しているわけではないが、地球温暖化を考えたら毒性のない新しい燃料が必要となるのは明らかといえよう。


Internet Bull Report

 URL; https://internetbullreport.com/


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