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『はじめて学ぶ日本の絵本史I・II・III』 鳥越信

著:鳥越信
出版社:ミネルヴァ書房
発行年:2001年( I )、2002年( II )、2002年( III )
価格:3,300円( I )、3,300円( II )、3,520円( III )
「ミネルヴァ書房」より

 『はじめて学ぶ 日本の絵本史』は全3巻からなる日本初の絵本通史だ。21世紀になって初めて自国の絵本史が誕生していることに驚いた。同書は、「とにもかくにも近代日本の絵本の流れに関わる情報を、現時点で判明している限り、全て提供するということ」、「質的には評価できないと考えられる絵本についても、同じように記述したこと」を基本的な方針として、1868年から1920年代半ばまでの絵本にまつわる史実が懇切丁寧に記録されている。その内容量から、読み切るまでのハードルはやや高めであるが、絵本の深みに向かう書籍案内としてここで紹介を避けることは出来ない。鳥越は絵本研究の発展を願い、自らの使命を果たした。人々が紡いだ歴史と、鳥越のバトンを受け取りたい。

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