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『絵本の絵を読む』 ジェーン・ドゥーナン

著:ジェーン・ドゥーナン
訳:玉置友子 灰島かり 川端有子
出版社:玉川大学出版部
発行年:2013年
価格:2,640円
「絵本ナビ」より

 イギリスの絵本研究者ジェーン・ドゥーナンは、絵本の「絵」に焦点を当て、能動的に絵を読む方法を示した。同書は、絵本作品を具体的に取り上げ、絵を読むとは如何なるものかを説明する理論書である。ドゥーナンが実践した絵本学習カリキュラムの記録と、充実した参考文献リスト、訳者3名による「『とんことり』をドゥーナンの手法で読む」座談会が収録されており、その親しみやすさと充実具合からも、必携の書と言える。

「読者」ということばは、字義どおりの意味ではあたっていません。描かれたものを眺め、それらがおたがいにどういう"角度"で配置されているかを見てとることで感動するのですから、「見者」ということばこそが、実態を表しているのではないでしょうか。"もの"としての絵本、「ことば」、「絵」の三つがひとつの作品を構成し、絵本経験の総合体、つまり、本書で「合成テクスト」とよぶものが生まれますが、それは、その「見者」の心のなかにこそ、できあがるものなのです。

という「はじめに」綴られる文章に、私の目が輝いたことを忘れはしない。

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