仕事を休む
最少人数で動いている職場がさらに極少人数で動くのが木曜日。そんな木曜日に仕事を休んだ。水曜日から異変はあった。暖かいといわれ花粉が飛びまくっていた日、私は猛烈に寒かった。自分で編んだブランケットを肩からかけ、手には外でするような手袋をはめ、それでも寒いと震える私に「大丈夫か」と声をかける人はいなかった。それはそうだ。声をかけたところで治るわけではない。でもその時の私はだいぶ心身ともに弱っていたのだろう。声をかけられない事実にも参ってしまった。普段ならそんなことはないのに。むしろ声などかけてくれるなぐらいの気持ちでいるのに。明らかに異変だった。水曜日に退勤するとき上司に「明日、体調が戻らなかったら電話します」と私からはおおよそ出ることが想定できないか細い声で言った。上司は何も言わずただ頷いた。そして木曜日。私は仕事を休む電話をした。相変わらず寒かったけど、仕事ができない体調ではなかったし、なんならできない体調であっても行かなくてはいけない木曜日だった。休むことは許されない木曜日だった。でも休んだ。どうにも身体は起き上がれず、心など臥せったままだった。罪悪感はもちろんあった。大変だろうなと推測せずともわかった。仕事ができるわけではないが、人一人いないとまわらなくなりそうな木曜日だから。でも「それでまわらないような職場が悪い」と罪悪感をどこかに放り投げて、泥のように眠った。金曜日も休んだ。体調は波があって朝は胃が痛く寒く酷く怠かったので、休む連絡をした。昨日よりは電話を受ける上司の声が厳しくなかった。金曜日は人がいるから。放り投げた罪悪感はどこにいったかわからなくなった。休む連絡をした途端に、胃痛も寒気もなくなった。怠さは残っていたけど。そして明後日の月曜日からは仕事に行く。行きたくはないけれど、2日間休んだことで、少しは心の波が穏やかになったのだと思う。さあ今から3日ぶりに外に出て車の運転をして花粉症の薬をもらいに行かなくては。オールナイトニッポンをタイムフリーで聞きながら。