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ダグラム、かんたんに作るよ!(その3)

毎週作るよ!

と、いうわけでMaxFactoryさんから絶賛発売中の
「1/72 ダグラム Ver.GT」をサクサクと毎週コツコツ作っています。

今回は下半身と武装を組み立て、前回作った上半身とあわせて組立自体を完了させます。その後、トップコートとエナメル塗料のウォッシングなど、《とりあえずはこれでいったん完成!》という段階までやっていきます。
(↓は、前回の記事になります)


step.6「下半身と武装を作っていきます。あと『秘技・接着剤むにゅ』」

まずは下半身。
説明書通りに進めていけばサクサクと作れます。
ver.GT版ダグラムはモールドやディティールが多い機体であり、それが売りの一つになっています。その機体をプラモデル化した本キットは、モールドやディティールが細かく入っているにも関わらずパーツ数が少なく抑えられており、ここでも開発陣の知恵と工夫を感じられますね。
基本的に悩まず作っていけるのが本キットの良いところなんですが、下半身と武装を作るにあたって一点だけ気をつけるところといえば ココ ですね

(この白いパーツがなかなかしっかり最後まではまらず、パーツが “浮き” ます)
(説明書で言うと、このE1のパーツ)

このままではパーツが装甲から浮いてしまい、ダサいです。
ではどうするかというと、【カッターでハメコミ穴を削ります】
わりと直球解決です。しかし簡単です。では実際にやってみましょう。

(この四角の穴部分。ここを少し削って【穴を大きくしてやります】)


(まぁ、だいたいこれぐらい広げればokです。ほんの少しで大丈夫)

そうすると、このように(↓)

バッチリと白いパーツがハマってくれます。
こういうちょっとした工作をすることによって、「ふふふ・・・俺はうまくハマらないパーツをちゃんと補正してやったぜ!」と全能感にひたれるのがプラモ制作の良いところ。
このようにプラモデルはお手軽・安価に摂取できる自己肯定感upサプリメントなので、積極的に服用していきましょう。
副作用もないしね。あとは保険適用を国がしてくれたら最高なんですが。


続いて、武装。
これもパーツ数が少なく、簡単に作れちゃうのですが、個人的に気になるポイントとしては

背中のリニアカノン。砲身の横に分割線が結構しっかりと出ちゃってます。
ミサイル・ランチャーも同じく。こちらは縦方向に分割線が走る。


まぁまぁ気になるレベルの太い分割線です。
説明書でもこれをフォローするかのように(推測ですが、初心者の人が作る時に、【合わせ目消し】の作業をいちいちやらんでも済むように)開発の人たちが下(↓)の画像のようにイラストで描いてくれてますね。
これは合わせ目じゃないですよ、ディティールですよー とアピール。
こういう初心者目線の設計を発見するとなんだか嬉しくなっちゃいます。
模型界の未来は明るい。

(マンガにも箱絵にもない分割線が、説明書の塗装・デカール指示書には描かれています)

ですが私は「マンガにも箱絵にも存在しないディティールなら、その分割線は消しちゃいます」
ただしこれは、再度書きますが 『私は』 です。

もちろん消さなくてもいいです。せっかく開発者さんが気を利かせて「分割線消さなくても気にならないようにしたよ」と手間を掛けてくれているのですから、その厚意を無にせず仕上げるのもまた一興であり、一手です。

すなわち、ここにも作り手である貴方の作為が加わるわけで、完成させればやはりそれは作品と呼ばれるものになると思います。


私は消します。分割線を。(突然の倒置法)
しかし消さない自由もプラモデル制作にはある。
好きに作る自由が、ここにはある。



さて、ではそろそろ次のステップ。
以下、分割線を消さないという選択肢を採られた方は無視してokです。

step:Ex1【分割線、消しちゃいます】

まず、パーツの合わせ目にタミヤの白蓋接着剤を多めに塗ります。
そしてムニュッとプラが溶け出るぐらい押し付け、洗濯ばさみで固定して半日ぐらい放置します。


続けて#240ぐらいの紙ヤスリで溶けてはみ出たプラ材と接着剤を削り、そのあと#400の紙ヤスリで均します。そこそこ埋まりましたね。


紙ヤスリで削った際に出たプラ粉で、砲身のモールドが埋まってしまったり、浅くなってしまったらこのようにナイフで軽く掘ってあげると復活します。


そして武装と下半身を、前回作った上半身と合体させると

一気に完成です!
このままでも結構格好いいので、 【これで私はいいや、完成!】 としても問題ないと思います。
ここがまず最初、第一の完成地点です。
完成させた貴方は、もはや立派なダグラム・モデラーといえるでしょう。
GTダグラムは可動域も広く、ガシガシ動かせるのでいっぱいブンドドして遊んだり、劇中のポーズで固定したりしてみてください。絶対楽しいです。





step.7「トップコートとエナメル・ウォッシング」
(ただしスプレー缶塗装をする方は読み飛ばしていただいて結構です。スプレー缶塗装をして、デカールを貼ったうえで、この工程に入るので)

プラモデル作りに慣れてない方は、「は? エナメルウォッシング? なにそれ突然知らんこと言いはじめたよ怖い」と思われたでしょうが、怖がらず、慌てずに聞いて下さい簡単です。
カップラーメンを作るのと同じぐらいの手間です。
ではやっていきましょう。


まず、つや消しのラッカー系トップコートを用意します。

つや消しなのは、ダグラムはミリタリー作品なのでつや消しが似合うからです。つや有りだとピカピカテカテカに仕上がってしまうので、ダグラムにはちょっと似合わない気がします(もちろん、そういうシュチュエーション…たとえば完成直後のお披露目式とかなら似合うと思います)
ラッカー系なのは、食いつきが良いのと乾燥が早いから、です。ただ、今後のために覚えておいていただきたいのは「ラッカー系はエナメルとラッカーの上から吹きかけるぶんには良いが、アクリル塗料の上からぶっかけるとアクリルが溶け出してせっかくの塗装が台無しになりがち」という点です。
今回はエナメルとラッカーしか使わないのでラッカー系トップコートを使用しますが、アクリル系塗料を使用した場合は水性トップコートのほうを使用しましょう。


(脚が二本、逆さに立ってるとそれだけで犬神家を連想しがち)

とりあえずダグラムは四肢をバラバラにして洗濯バサミか塗装用クリップで挟み、発泡スチロールにぶすぶすと挿して屋外に持っていきます。
あと、クリアパーツ(コクピットの防弾ガラス部分)は外しておきましょう。クリアパーツにトップコートかけると【くもりガラス】みたいになっちゃいますので。

(コクピットの窓枠が別パーツ化されてるのマジ最高。作業めっちゃやりやすいです)



私は今回、家のガレージでトップコートを吹くことにしますが、人のいない場所ならどこでも良いと思います。ただし屋内、ことに自室は絶対にやめましょう。健康にむちゃくちゃ悪いと思うので。(他人の部屋なら良いのかと言うともちろんそういうわけではないですよ、念の為。なおあかん)

(もちろん河原や裏山、海岸で吹いてもok。ただし周辺に他の人がいないのを確認しましょう。)



さて、ここで注意点を3つ。

まず1つ目。
トップコートやスプレー缶塗装をする際、初心者がやってしまう一番多いミスは「スプレー吹きすぎ」です。
殺虫剤を虫に吹き付けるような距離や勢いでやるのではなく、スプレーから出たミストの先っちょにパーツがある、ぐらいが理想です。

具体的に言えば、『肘から手首ぐらいの距離を離して吹きましょう』

あんまり近くで吹くと、塗料やトップコートがべったりと吹き付けられ、重力に従って余った塗料が垂れます。
ちょっと勿体ない話になるんですが 『空中に9割ぐらい捨ててる感覚』 でokです。

あとは、手首のスナップを効かせてシュシュッ、シュシュッ、っと細かく吹き付けるとなお良いかと思われます。





続いて2つ目。
湿度の高い日、とくに雨降ってる時は止めときましょう。
スプレーから出た霧状の塗料が空気中の水分を含んで、水滴のようになってキットに張り付きます。
塗装ムラや、ダマの元になるので回避が鉄板。
泣く子と地頭とお天道様には勝てません。
晴れの日にやりましょう。




最後に3つ目。
缶スプレーはよく振って、最初に2回ぐらい試し吹きしてからキットに吹き付けましょう。
さもないと、こうなります

(ちょっと前、零戦作ってた時にやっちまった際の写真)

まぁ・・・・・・・、絶叫しましたよね。
ぎぃぃぃえぇぇぇぇえ!!!! って庭で奇声をあげてしまい、嫁さんに「どどど、どうしたん?!」って驚かれました。まことに済まない。
これは、たぶんですが『前に使った際にスプレーの吹出口あたりで溜まっていたトップコートの吹き残しが乾燥してしまい、今回使用した時にそれが半固形化したまま飛び出た結果の惨状』だと推測されます。

もう一度いいます。
缶スプレーはよく振ってから使いましょう
(これ以上の悲しみを広げないために)



そしてトップコートをかけ、つや消し状態になって「プラスチック感」がかなり抑えられたダグラムがこちらになります。

(GT版ダグラムは関節がかなり自由に動くので、こういう『リニアカノンを撃った反動を全身で抑え込んでいるポーズ』なんかも取れちゃいます。私の好きなポーズです。)


いきなりグッと良くなったと思いませんか?
これ、スプレーをささっと吹きかけただけなんですよ?!
誰でもできる、たったそれだけの手間で、貴方の手元にさらに格好良くなったダグラムがやってくるわけです。
ちなみに吹付け前と画像で比較するとこうなります

ポーズをちゃんと取っているかどうかはさておき、注目して頂きたいのは『キット表面の質感』です。
画像左側がトップコート吹付け後、画像右側がトップコート吹付け前なんですが、【プラスチック感がだいぶと薄れた】と思いませんか?
しつこいようですが、この質感の差はスプレー缶をささっと吹いたかどうかだけの差です。作業時間、5分もかかっていません。スプレー缶は750円で買えます安いです。特売の時に買い込んでおけば600円切ります最高かよ。

この【トップコートを吹き終わったところ】が第二の完成地点となります。
ここまでは技術も何も全く必要ないので、できれば皆さんに体験して、楽しんで頂きたいところです。
真面目な話、難しい食玩作るほうが手間だし、難易度も高いぐらいです。



step:Ex2【エナメル・ウォッシングをやっていきます】
(ただしスプレー缶塗装をされる方は読み飛ばして下さい。スプレー缶塗装をしたあとに、この工程を挟みますので)

「エナメル・ウォッシングってなに?」と思われた方もおられるはずなのでここでご説明いたします。
文字にして書き出すと「エナメル塗料をキットに塗りたくり、全体の明度と彩度を落としてリアル調に近づけてゆく技法。塗ったあとでエナメル溶剤で塗料を拭き取るが、奥まった部分は拭き取れないのでその場所は自動的にイラストでいうところの影になる」ということになるんですが、言葉でいうよりも写真で作業を見て頂いたほうがどう考えても早いしわかりやすいので、以下に連続で書き出します。

まずはタミヤの墨入れ塗料のブラウンとブラックを用意します。個人的にはグレイもあるとなお良いと思います。あと、エナメル溶剤。そして綿棒(綿棒は模型用のやつがあれば完璧ですが、別に普通の100均綿棒でも構いません)

スミ入れ塗料はエナメル系塗料なので、エナメル溶剤で溶けます=拭き取れます。かなり容易に拭き取れますので、めちゃくちゃ失敗した!と思っても気にすることなく再チャレンジできます。気軽にやっていきましょう。

*(ちなみに余談ですが、ガンプラにこのテクニックは使わないほうが良いと思います。バンダイさんのプラとエナメル塗料は相性が悪いようで、パーツが割れたり粉々になったりします)


(こんな感じで、まずはブラウンを『影になるかな』って部分に塗ったくっていきます。まぁまぁ適当で構いません。気に食わないな、と思ったら後で拭き取ればいいだけの話なんで)


(続いて、一番奥まったところや、ディティールになっている溝に、ブラックを流し込みます。)


(1時間ぐらい放置して乾燥させ、エナメル溶剤を染み込ませた綿棒で拭き取っていきます)



(その後、ざっくりと拭き取った胴体部分がこちらになります。どうですか。なかなかいい感じではないでしょうか? 突然リアリティーが増したと思われません?)



(これは脚部です。画像左がブラウンだけを塗った脚パーツ。画像右がそこにブラックを上から足したパーツになります)


(横から見るとこんな感じになります。ブラックを一色足しただけで、グッと色に奥行きが出たと思いませんか? 今回の記事で触れるのはこの2色だけですが、この作業に慣れてきたら、どんどん様々な色を使って奥行きを出していきましょう。)

ちなみにグレイはどこで使うんだ?といいますと、ダグラムの装甲部分(ブルーグレーっぽいところですね)のハイライトにちょろっと塗っておくと映えると思います。

そういう感じで、適当にエナメル塗料を塗っては、適当に拭き取って・・・を繰り返していくと

(これが第3の完成地点となります。
未塗装・トップコート・エナメルウォッシュの、いわゆる形成色仕上げ。)


さらに格好良くなったと思いませんか?
リアリティーが増したと言うか
オモチャ感が無くなったと言うか
少しずつでも手間をかけていけばいくほど、プラモデルというものはその分だけ良くなっていきます。

ほんと簡単なんです、このエナメル・ウォッシングとスミ入れの技法は。
なによりお勧めできるのが『かなりの回数失敗しても大丈夫』なところ。
初心者がまず取り組んでみるには最適だと思います。
塗装の第一歩として、いかがでしょう?




本日、写真に撮った3つを並べてみました。
左側:未塗装、トップコートなし
真ん中:未塗装、トップコート有り
右側:未塗装、トップコート有り、ウォッシング&スミ入れ

まったく同じキットを使っていながら、三者三様といった呈です。
どれをとっても、それぞれの味がありますね。


本日は組み立てを完了させ、トップコート工程と、エナメル・ウォッシングとスミ入れ工程まで進めました。
次はいよいよスプレー缶塗装に入り、ついでにデカール貼りまでやってしまう予定です。

今回も乱文・駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

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