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自由な学びーハイジのように生きるー

オルタナティブスクールおおきな木遠藤です。

今日はおおきな木の保護者の方の手記を紹介します。

こちらは岡崎市にある吉村医院のOBの方たちでつくる「うぶやの会」会報に投稿された文章です。ご本人の快諾をいただいたのでぜひ多くの方に読んでいただきたいと感じています。


コロナの学びをきっかけに


「もう学校へは行かないことにする!」と言い出した我が娘。ずっと学校生活を謳歌していた娘だったけれど、コロナ休みの間に「自分の好きなことを思いっきりできる楽しさ」に気付いてしまったようだ。今は週に1回オルタナティブスクールへ行き、後は家で好きなことをするという日々を過ごしている。


 学校での学びも楽しんでいたけれど、日々の生活が慌ただしくて、やりたいことがやれる時間がない。せっかく興味を持ったことができないまま過ぎていく…。「こんなもったいないことってないよな・・」とずっとモヤモヤしていた私にとって、娘の「学校行かない宣言」は「待ってました!あっぱれ!」と思えるとてもめでたい出来事だった。


 学校へ行かないことで得られた「たっぷりの自由な時間」の中で、娘が目をキラキラさせて好きなことに没頭している姿を見ることは、本当に気持ちがいい。やっていることは大したことではないけれど、その集中力がすごい。そして、興味はどんどん変化していく。そんな娘の姿は「次はどこに興味がつながっていくのかな?」を私をワクワクさせる。

 そんなわけで、娘が学校へ行かないようになってからの我が家では、”ねばならないこと”がなくなり、家の中にゆったりとした「豊かな時間」が流れ出し、親子共にストレスのない穏やかな生活となっている。

 だが、そうはいっても、ずっと子どもが家にいるというのは結構じゃまくさい。私たちがこんなふうに穏やかな生活を送れているのは週一日通わせてもらっている「オルタナティブスクール」のおかげなのだ。


 私の住む三河地方には有難いことにサドベリースクールの「シードーム」をはじめ、志の高いスタッフが運営するオルタナティブスクールがいくつもある。どこも子どもたちのための素敵な場を作ってくれている。そんな中で、娘がたまたまご縁を頂いたのが、吉村で出産された遠藤昌代さんが安城市で今年(※投稿は昨年冬でした)オープンした「おおきな木」というオルタナティブスクールだ。
 私が娘を通して感じた「おおきな木」の特徴の2つをシェアします。

「おおきな木」の特徴① 昼食づくり

 「おおきな木」では、子どもたちが1人300円づつを出し合い、話し合いで昼食のメニューを決め、買い物へ行く。予算内で材料を買い、調理をして食べる。

 この一連の流れの中で、子どもたちはいろいろな能力を駆使することになる。自分の食べたいものをみんなにプレゼンする力、話し合う力、意見をまとめる力、計算力、料理の手順を考えるなど……

 みんなで話し合うけれど、みんなと一緒でなくたっていい。調理をしたくない子は食べるだけでOK。やりたい子がやればいいし、誰も調理したくない時はカップラーメンで済ますことだってある。一人だけマックでハンバーガーを買って食べる子もいれば、お弁当を持ってくる子もいたり、それぞれ、その日の自分の気持ちのままに好きに選べばいい。多様性を認める力も自然についていく。

 「おおきな木」に参加するまでは料理に全く興味がなかった娘が、今ではお昼ごはんもお弁当も自分で作り、お菓子まで作ってくれたりと、この昼食づくりのおかげで「生活を営む力」がぐんぐん育ってきている。

「おおきな木」の特徴② 安心安全な場

 「おおきな木」では、子どもたちの気持ちをとても丁寧に扱ってくれる。どんな気持ちでも自由に表現していいし、表現しなくたっていい。「表現しない」ことも立派な意思表示なのだから、とちゃんと尊重してくれる。自分の気持ちが評価されたり、否定されない「安心安全な場」。実はこういう場ってなかなかない。

 こういう場で育つということが、子どもたちにとってどれほど大切なことか!こういう場があるだけでも子どもは立派に育つのでは?と思うくらいに大切な、大切な、大切なことだと私は思っている。

 「どんな自分も表現していいんだ!」というこの体験は「本当の自分」へとつながり、だんだん自分の気持ちに自身を持てるようになり、自分を表現することを恐れなくなり、色々な事にチャレンジできる自分へと変化していく。

 「私ね、おおきな木に行くようになってね、今までちょっと怖くて言えなかったこととかが言えるようになったし、なんか不安でできなかったことが、できるようになったんだよ!勇気がもてるようになったんだよ!色々チャレンジしたいって思うようになったの!すごく強くなってきたんだよ!」とまさに、今日娘が意気揚々と私に話してきた。

 その娘の自信に満ちた顔を見て、ああ、私は娘のこういう顔を見たかった!こういう姿を見たかった!私が娘に与えたかったのは、こういう体験、学び、そして仲間だった!みんなありがとう!と「おおきな木」のスタッフ、子どもたち、関わってくれている人たち、みんなに心から感謝の気持ちがあふれてきた。

 一見、遊んでいるだけのように見える時間の中で、子どもたちは知らず知らずのうちに、確実に太い根っこをはっている。
 今の子どもたちは、新しい時代を生きる人たち。
 この子達には、自分を思いっきり表現できる「自由な場」が必要だ。
 このような「多様な学びの場」がもっと増え、子どもたちみんなが、ハイジのように、日々ワクワクして、好奇心のママに、思いのままに、自由に歩んでいってほしい!

🍀🍀
手記はここまでです。 
どのように感じましたか?
よかったらその感じたことを教えていただけたら嬉しいです。







 


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