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映画『凪の島』良かった

昨日、観に行ってきました。

東京からシングルマザー(加藤ローサさんが演じてました)のお母さんと越してきた、凪ちゃんを軸にしたお話です。

アルコール依存症から頑張って立ち直ろうとしている父親役をチュートリアルの徳井さんが演じているのが、とても素敵でした。

いきなり脱線ですが、チュートリアルの徳井さんは過去のスキャンダルを個人的に引きずってらっしゃるようなところが垣間見えていて、ファンの方からも「もっと元気出してほしい!」などのコメントが沢山出ています。もちろん徳井さん本人の事を想えば元気出してほしい!と私も思う一方で、ある意味一皮剥けたような徳井さんの落ち着きが、この『凪の島』では素晴らしいスパイスとなっていたと感じました。

私はかなりの映画好きでありますが、自分が問答無用に楽しめてしまう、ある意味自分のチョロい好みがありまして、詳しくは書きませんがその一つが夏×地方です。そんなわけでこの映画は私の邦画ドストライクでした。これを聞いただけでもう観たいと思う同志の方はnoteを閉じて上映スケジュールの確認を始めてください。

私がこの映画で好きだった部分、それは登場人物たちの人生がうまくいかないまま、それでも互いに支え合って生きていくための愛を描いている事です。

ちょっぴりネタバレで申し訳ないですが、凪ちゃんの数少ない2人の同級生のうちの1人の男の子、彼は自分のお母さんが入院している病院に船と電車を使って辿り着きます。しかし、そこにいたのは精神障害を負ってしまったお母さん。これはあまりにも辛い。一方、自分や自分の大切な人がある日、そうならないとも言い切れない事に見ているこっちとしても思い至るわけです。

結論を言えば、この映画の中でお母さんがその後治ったのかどうか、それは描かれません。祖父に黙って母親の病院に行った事を謝る男の子。しかし男の子を叱る事なく、「爺ちゃんは死ぬ、そしたらお前が母ちゃんを守ってやるんだぞ」と祖父が伝えるシーンにとても深い愛が描かれていました。

人間生きていれば難儀な事が起きる。主人公の凪ちゃんも両親の喧嘩を見ていた過去からPTSDを発症しています。ですが、この映画は精神障害は必ず治るとか、PTSDは完治するとか、そういう事ではなく、毎日は完全じゃなくても支え合って進んでいこうとする島の人たちを上手に描いていました。

とても素敵な作品でした。

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