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メトロ。マリア・クリスティーナ駅

ー バルセロナ きらきら太陽の真下のカフェで ー

◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇

地下鉄マリア・クリスティーナ駅を降りて
階段をトントントンと
上がっていくと
目が痛いほどまぶしい
地上に出る。

まず最初に目に入ってくるのは
青くて広い空に
突き刺すように建っている
縦長の真っ黒なビル。
バルセロナに青と黒の配色は
とてもよく似合っていると思う。
ビルの上をよく見てみると
画家ミロが描いた
『La Caixaラカイシャ』という名の
銀行のロゴマークが
ゆっくりくるりと回っている。
まるで夜空に輝く星のように。

トラムも走っている
ディアゴナル通りでは
スーツを着た人々をよく見かける。
なぜなら、このあたりはオフィスが立ち並ぶ場所だからだ。
庶民的な香りがしないこの辺りの地区は
品格のあるお店が並んでいたりと
ちょっとスノッブな空気が漂っている。

そういえば、この近くには
FCバルセロナのサッカースタジアムのカンプ・ノウもある。
以前、友達とディアゴナル通りにあるベンチに座っていると
サッカーボールを持ったジャージを着た人たちが、
みんなで軽い運動をするためか
ヒルトンホテルから
ゾロゾロと出てきたのを見かけたことがある。
ごっついテレビ用のカメラを担いだカメラマンや
インタビューの人もいたけれど、
物珍しそうに見物していた人は
数名だけだったので、
どこかの社会人サッカーチームかと思っていたら
翌日のスポーツ新聞を見て驚いた。
ヒルトンホテルから出てきたのは
バルセロナと対戦した相手のスペインリーグの選手たちだったのだ。
やっぱり、ここはバルセロナ。
ここの人たちはバルセロナの選手しか
あまり興味がないらしい。

先ほどの話しに出てきた
ヒルトンホテルを通り過ぎると
大型ショッピングモール『Lillaリーヤ』がある。
様々なブランドのお店が集合しているので、
一つの場所で一度に見ることができるのは
とても便利だ。
特に雨の日のショッピングモールは
雨にうたれる事がないので
とても有意義な1日が
このショッピングモール内で過ごすことができるのだ。
私なら、一日中このショッピングモールにいても
絶対に飽きないという自信がある。
おすすめの場所だ。


現在はマークス&スペンサーはありません


ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。

ショッピングモールの『Lilla』は
現在、地下の食品売り場がかなり充実している。
手軽にイートインできる所もいくつかあるし、
グルメな食品店が入っている。
日本のデパ地下ほどの充実感には欠けるけれど
それなりのデパ地下感はある。
スペインの食で溢れる
地下の食品街を堪能してもらえると思うのだ。

昔はこのショッピングモールに隣接して
『Marks & Spenserマークスアンドスペンサー』があって
イギリスのお菓子『walkersウォーカーズ』のショートブレッドを
ここまで買いに行っていたのだ。
なにしろ、このショートブレッドが大好きで
よく通ったものだった。
今では、普通にスーパーマーケットで
買えるようになった。
時代を経て何でも便利になったが
いつでも買えると思っていると
なぜだか買わなくなってしまった現在だ。


どうぞよろしくね

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植物たちが赤や黄色に色づいて
やっと秋らしい雰囲気になってきましたが
人間はいまだに袖なしのシャツが手放せない
バルセロナです。

それでは、この辺で。
ステキな週末をお過ごしくださいませ。
ボン・カップダセマナ〜。


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