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弁護士秘書の離職率は結構高い

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現役弁護士秘書•パラリーガル
町弁、中規模事務所、渉外大手法律事務所に勤務経験
業界歴10年以上
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弁護士秘書って、人気職です

人材系の業者さんに聞いたところによると、やはり事務職というのは人気だからみたいですが、秘書さんという肩書きがブランド化している面もあると思います

知的なイメージ、都会的なイメージ
秘書という言葉から想像される何だか聞こえの良いイメージが先行して、
ファンタジーな存在としての弁護士秘書が人気を集めているのではないでしょうか

現実の弁護士秘書は過酷です
業界では最もホワイトな部類であろう、5大法律事務所だと、採用サイトで離職率を公開していて、だいたい10年弱くらいです。
ブラックボックスの小規模中規模の事務所の離職率は、体感ではかなり高めです。
事務所規模に関わらず、私の周りでは数年で辞める方がそれなりにいる印象です。試用期間で辞める方もいました。

なぜ人気で、敷居も高い職を辞めてしまうのか
いくつか理由をあげます

①仕事内容が難しい
私は法学部出身ですが、仕事を始めたばかりの頃は、周りの人の話す内容が専門用語の羅列で、会議で何を話しているのか分からないし、メールに書いてある意味も分からないし、本当につらかったです。
分からないことがあっても、調べ方も分からないのです。分厚い本を渡されても使いこなせません。
一連の経験を積んで、徐々に、自分が何のための作業をしているのかとか、実務本の見方とかが分かる様になり、法律的な物の考え方も理解できるようになり、ようやく、先を読んで弁護士の仕事をサポートできるようになる、自分の仕事もコントロールできている感覚がつかめるようになりました。
それなりに根気のある人、自分で勉強するのが苦じゃない人じゃないと、なかなか続かないです。
また、弁護士やクライアントとがいる仕事なので、誰とでも円滑にコミュニケーションを取れる人でないと、対人ストレスを溜めてつらくなってしまうと思います。
弁護士やクライアントは、切羽詰まっている時がほとんどなので、悪気はなくても、秘書に対していつでも変わらない態度で接してくれる、という訳ではありません。

②待遇が悪い
年収300〜400万円で、昇給の上限設定が低すぎます。
5大法律事務所の経験を積んだパラリーガルや、ブティック系法律事務所の幹部とかだと、もっともらえる場合もあるのかもしれませんが、一部の人で、レアケースだと思います。
しかも、小規模、中規模の法律事務所は、福利厚生が整っていないことも多く、厚生年金ではなかったり、退職金がなかったりするのも珍しくありません。

③ポテンシャルが高いので転職しやすい
有名大学卒の方がほとんどで、法科大学院卒の方もいます。TOEIC高得点、行政書士資格、簿記、ファイナンシャルプランナーなど、何らかの資格を働きながら取る方も珍しくなく、勉強熱心で真面目な方が多いです。転職したいな、と思ったら、簡単にできてしまいます。

④弁護士が嫌いになる
私の周りだけかもしれませんが、、、もう弁護士とは働きたくないから辞める、という話はよく聞きます、、。転職先も、ほぼ他業種です。
弁護士って、本人も優秀で、勉強させてもらえるだけの環境に恵まれていて、生まれながらのエリートが多いです。有名大学出て法科大学院出て、司法試験受かって、司法修習して、法律事務所で働き始めました、という、散々法律の勉強をしてきて、雇われの立場ではなく個人事業主で働き始める方々の当たり前と、
大卒の新卒秘書さん、異業種からきた秘書さんだと、色んな面でギャップが生まれます。
なんでそんなことも分からないの?分からないなら勉強しなよ?という態度をとる、待遇もバックグラウンドも違う秘書に対して要求が高すぎる先生もいるし、
社会に出た途端先生と呼ばれる立場になり注意を受けることがないからなのか、、マナーや思いやり、想像力に欠けるなぁと感じる節はあります。

まとめ
業務内容の難易度が高く責任が重いのに、待遇も悪ければ、もっと簡単な仕事か、もっと待遇が良いところへ、と辞める人が多いのは仕方ないです。

先生方が頭脳明晰の成功者だからゆえ、先生方が秘書さんの仕事ぶりを誰でもできる簡単な仕事でしょ、と評価しない→秘書さんの待遇がめちゃくちゃに悪い、という構図になっている気もしています。
(経験のあるデキる秘書さんにはもうちょっと上げてくれても良いのになぁ、、)

秘書の仕事はお飾りや単調な雑務ではなくという意見に、表向きは、ほとんどの弁護士は賛成します。それなのに、キャリアを積んでも待遇が良くないのは、やはりどこかで軽んじられている印象を受け、悲しいですね、、。

今回は弁護士秘書業界の嫌な部分の話になってしまいました
次回は一転、やりがいについて書こうかな、と思います♪


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