風に負けないように地面低く葉を伸ばした。育てた種を遠くまで見送れる孤高に咲く。よく晴れた朝、繋いでいた手をそっとほどいた。続いた雨の日にすぼんでいた繊細な傘は、乾いた空に開いてどこまでも飛んでいける。風が奏でる音楽は心を越えていくから、風に素直で軽やかな羽根があればいい。

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