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なんてことない一日だったっす(3/21)

今日も一日24秒制度の世界で過ごした。病院に行って右目を治療してもらった後、とある人に贈りたく図書カードを購入しに近くの本屋さんへ。
その後は地元生息エリアに戻り、パリ渡航のための飛行機を予約したり、来月広島と東京をどのように組み立てていくか各所スケジュールを確認したり、昨日九回目のトライでようやく固まった某テレビ関係のジングル制作の、次に取り掛かる秒違いの方の打合せをしていた。スタジオ録音が必要なので、具体的なスタジオ、エンジニア、演奏者のリクエストを出すなどした。こういう細かいやり取りに、意外と時間がとられる。

パリ移住となると復路の航空券は捨てることになるので、当初片道切符を購入の予定で予約だけ入れていた。しかし昨今のVISA地獄祭りを多方面から聞いている私はもはやシェヘラザード。復路を捨てることになっても往復切符を購入した方がアンパイだなという結論に至ったのだ。(そういえばずっとアンパンマンに似ていると言われてきたが、いつの日からかドキンちゃんぽいと言われるようになりました。短足すぎるやろ。)

片道切符だと入国審査でひっかかる事がまあまああるらしい。留学時代にも何度も聞いた話だ。当時もその噂にビビってオープンチケットを購入し、復路を放棄した記憶がある。学生だったとはいえ、往復12万円ごときで悩むほど気楽に旅することができた時代だったことは確かだ。バカにできない大金である12万円を"ごとき"とあえて貶むのは、今や片道切符でも25万円越えの時代に逆行してしまったからだ。数年前、こんな世界になろうとは全く想像していなかった。

ぎりぎりになってパスポートが返却された場合、もしくはVISAに落とされた場合に、25万円の片道切符をお向かい新築一軒家工事中のドブに捨てたり庭に埋蔵するよりかは、観光旅行用として活用できた方が諭吉先生だって刷られた甲斐もあるし、私としても諭吉先生を慕うことで先生の有名書籍を人にすゝめられるというものである。

準備期間というものは、序盤はまだしも、中盤から終盤にかけては徒労感に襲われがちになる。地味な作業をひたすらコツコツとやっていると「私は意味のないことをしているのではなかろうか」「そもそもこれって盛大なる間違いでは?」「わざわざ今の暮らしをぶち壊してリスクを負うなど馬鹿げてる…!」などと、まあ余計な幻聴に惑わされる。しかも、そういう幻聴って自分の声で語りかけたりしてくるから怖い。向こうで手招くのが宝島などだった場合、私も耳を澄まして追いかけてる場合ではないのである。(出典 : Mr.Children "幻聴")

とりあえず今日のところは、リムスキー=コルサコフ先生の「シェヘラザード」第4章を聴きながら、過剰に運命的なバイオリンのソロや、いちいち派手に煽りまくってくる打楽器ではなく、ドラマチック中毒パートの隙間を縫うようにたおやかに歌うハープこそを味方につけて、ぐっすりと眠りたい。

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