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崖の上から世サザエ・ポニョ裕子(3/18)

「お客さん、今日のネタは何がいいかね?江戸っ子のあたしがしゃりしゃり握ってくよ!しゃりだけに!」

というわけで、糸島の鮨屋にお財布を忘れた。
お寿司屋さんに伺ったのは糸島に到着した初日早々なので、糸島滞在中は一度たりともお財布の不在に気がつかないままだったことになる。要するに、そういうことである。

しばらくは「いとの森さんに忘れたかも!」と散々騒いでいたので大変申し上げにくいのだが、やり取りの途中で突然、私のシックスセンスが耳元でこう囁いたのだ。

「むしろ、鮨屋じゃね?」

シックスセンスは伊達にシックスしていない。
google mapに検索の履歴が残っていたおかげでお店の名前も正確に探し出せ、電話をしたらすぐに繋がり、「あ、お財布預かってま〜す」と平和に対応頂いた。「テクノロジーと人類」をテーマに論文が書けそうである。

私は普段 世武裕子を名乗っているが、時折サザエが顔を出す。そういう時はまず髪の毛を触って、どのくらいサザエなのか確認するようにしているが、今回も案の定、その割れ目に人差し指が触れて「ああ、サザエですわ」とすぐに状況を察知。

お気に入りのARAISANキャップをかぶっていれば髪の毛が食パンのように膨らむこともなく、よって、財布も忘れることがなかったかもしれない。
だがしかし、キャップをかぶることを怠った代償はこのように大きかった。

さて、世サザエ裕子として広島に帰る前に「中洲大洋映画劇場」に足を運んだ。

君が言うような淋しさは感じないけど、思い出したがここは福岡である。(出典 : "ユリイカ")
福岡といえばPayPay無双エリア。そう、財布なしでも生活できるということだ。

すぐにそれに気づいた自分を過大評価して褒め称え、のんびり福岡時間を楽しむことにした。(だったら財布取りに行けよと指摘されると何も言えない、その通りであります)(原田さんに内心ブチギレられてるかも)

そしてPayPayの次に福岡で無双している麗しき石渡さんにお会いした。石渡さんは福岡映画部を運営してらして、昨日もライブに来て下さったのだが、中洲のこの劇場が近々閉館することを教えて下さった。
石渡さんのおかげで、束の間、朝からレーコーを頂く。そして、ご本人とも合流した。全く足りないタイトな時間を言葉で埋め尽くし、まだまだ聞きたいこともあったが今回はこのへんで。
石渡さんとはなんだか不思議と、言葉で埋め尽くしているにも関わらず、目配せとか、言わなくても共有できる何かがあって、時間が足りないのに充足感は結構あったりする。お心遣いの鬼のような方で、帰りには美味しいお土産を持たせてくれて、帰宅してからすぐに食べた。

広島に帰る前にもう一人、福岡に移住した友人と、これまたタイトに捩じ込んだ時間を共に過ごした。主にフランスのVISAについての情報共有。

まさにその話をしている最中に大使館から「追加書類を要求します」というメールが入り、詳しくは当然書けないが、ポニョの包まっている水の泡(グミみたいなやつ)の如く、自分を丸ごと覆うほど唖然とした先に出た深いため息に包まれて、崖の上から飛び降りるかと思った。

(当方『崖の上のポニョ』を観たことがなく、ポスターから勝手に推測したストーリー=「崖の上のポニョは水の泡に覆われて海に飛び込んだりして遊んで暮らしている」を元に構成しています。)

世サザエ・ポニョ裕子はこのように息絶え絶えで、崖の上から広島の地に帰還したのだった。戦いはいつまで経っても終わらない。

P.S. 「ポーニョポーニョポニョさかなのこー!」と「きょーもいー日だなー!」
今日の出来事は、どちらのBGMをより引き出すか考えながらお風呂に入っていたら のぼせてしまい、蛇口で肘を強打し負傷。生きているだけで毎日うるさいよ、世サザエ.....

ポーニョポーニョポニョ🎶

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