死にかけたパート1
パート1ということは続編がありますよ〜。
最後までどうぞ読んで頂きたい。
死にかけた事がある。
まずは序章として、誰しも経験する可能性のあるものをパート1としよう。
高校生の頃だ。多分高校2年生。
陸上部の練習が終わった後は必ず父に連絡をする決まりがあった。
父の仕事終わりと私の帰り時間が同じになる事が多く
車で迎えに来てくれていたからだ。
おかしな話だが連絡せずに1人で帰った日に
『なんで連絡しないんだよ。』と怒られた事がある。
父に迎えに来てもらわなくてもバスで帰れる距離だし
申し訳ないと言う反抗期の私にしては珍しく見せた
父への優しさだった。けれど連絡せず帰ると怒られる。
この謎エピソードがあってから
迎えに来てくれるのラッキー。と思う事にし、毎日律儀に連絡をする事にした。
その日は雨が降っていて真っ暗だった。
18時か19時過ぎだったと思う。
父はすでに家に帰宅しており電話越しで分かったのは
来るのが面倒くさそうな話し方だった。と言うより
『もう家にいるんだよな〜。』みたいな言い方だった。
横でそれを聞いていたらしい10個上の兄が
『俺が迎えに行くよ』と言ったらしく父伝えにそれを聞いた。
その当時、兄とは仲があまり良くなく
兄が来るのか〜。まじかよ〜。と内心思っていた。
仲が良くないので突っぱねて断ることもできない。
まあ兄も優しさで言ってくれているんだと、迎えを待つ事にした。
兄は確かマツダのデミオに乗ってきた気がする。
乗る前にこんな事を思った。なんか嫌な予感するんだよな。それが兄との関係なのか車の事なのかわからないけど乗るのが嫌だった。
『ありがとう来てくれて。』と思ってもいない事を口にしていた。
私の故郷は北海道の坂の街。
兄『ちょっとさ俺たまにこの山道通るんだけどここ、走って良い?』
丘の上にある私の高校。カーブがいくつか続く山道。
視界は暗く雨がしんしん降っている。
嫌な予感的中。『うん。良いよ。』
断れない私は出来るだけ明るく答える。
車は山道へとうに入っていたので後は兄がスピードを上げるだけ。まるでグランツーリスモのように若干スリップ気味にカーブをこなしてく兄。
こんなんやってんのかよ!おいおいおい!怖ーっ。
内心怯えながら重力で背もたれに押される圧のせいと
ここで喋って兄の集中を途切れさせてはいけない緊張感で無言な私。
3つ目くらいのカーブだったか。
効果音で言うと
スーーーーーーん。と勝手に車が運ばれて
タイヤが完全にスリップしてるのが分かった。
あ。これ、曲がり切れないな。
正面を見ていた私は前のガードレールにぶつかるのを覚悟した。
不思議な事にぶつかる前、スローモーションになった。
時間で言うと2秒。
2秒カウントしてください。この間に私は考えました。
ガっシャドーーーーーっっン‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
パッとすぐに右を向いた。
兄、生きてる。
血も出ていない。
もうそれだけで十分だ。
『真理子ごめん。大丈夫?』と兄は謝っていたと思う。
『うん。大丈夫。』と答えてから保険の代理店をしている父に事故を起こした事を兄が連絡。
兄の機転で、私だけ先にタクシーで帰宅する事になった。待っている時間、車にいるのは危ないので外にいた。
興味本意でガードレール下を覗く。
まあまあな崖やないか。ははっ。落ちたら間違いなく死んでたな。
タクシーの運ちゃんが雑すぎてガタン、ドボン!と車が揺れるのがガードレールへぶつかる前を連想して怖かったのを覚えている。
家に帰って、父も母も全くもって冷静で
『何処にどうぶつかったの?』
『あらまー!大丈夫だった?一応明日病院行っておこうか!後から出るからね症状!』くらいのテンション。
後日の検査で兄も私も身体に異常はなく何事もなかった。廃車になった車の画像を見せてもらうと
デミオがハスラーのように潰れていた。
何の車かも分からなくて笑えた。
デリカシーのない父は『いやいや、まいったなー!あっはっは!』
総括して運良かったな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?