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ふたつのサンリオ

長い間休止せざるを得なかったサンリオミュージカル「From Hello Kitty 」が、ようやく初日を迎えました!アートディレクターとして、このミュージカルの世界観を担うポジションを担当しました。

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そして、サンリオ展の東京展もオープンしました!なんと8メートル越えの巨大オブジェを作りました。自己記録更新(笑。

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今回、舞台も展示も、凄く制約があって、でも、自分の与えられたポジションの中で、ギリギリまで魂すり減らせて臨んで作りあげた作品たちです。

(残念ながら、同時期にやるはずだった自分の大きな展覧会の東京展と参加するはずだった芸術祭はふっとんでしまったけど、2つはなんとか開いてよかった…と思うしかないよね。)

この2つの作品は、コロナ禍で(アートを作る立場の)自分ができることってなんだろう?と、作っていく過程の中でハッとさせられることも多く、改めて、モノを作ることに対して自分はどう関わるべきか確認することができました。サンリオとは10年以上ご一緒させてもらっていますが、この時代にこの舞台と展示に携わったことで、ようやく本当の意味での、キャラクターの持つ魅力・影響力の片鱗をつかんだような気がします。

そんなことを考えていたら「汚れつちまつた悲しみに」という中原中也の詩のタイトルが、ふと浮かんできた。

読んだのが随分昔なので詩の内容は忘れたけど、字の通り、悲しみという感情すらも、うがった感情になってしまったということなのだろう。

確かに、大人になるつれて、だんだん些細な物事なんてどうでもよくなって(それは心を保つ自己防衛本能でもあるのだろうが…)、悲しみだろうが喜びだろうが、物事をストレートにピュアな気持ちで感じることができなくなってきてる気がします。

サンリオ…キャラクター…という世間一般のイメージするキーワードに惑わされずに、ぜひ、観てほしい…というか、その場で全身で体感してほしい。特に、自分と同世代の(汚れつちまった)大人の人に観てもらいたい。

きっと置き去りにしてきてしまったもののヒントみたいなものがみつかるかもしれない、と、思う。
まだ遅くない。


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