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20℃を下回る寒さを感じる風に触れながら
溶け込みたくなる色の白い空を見る

なにもない

“白”に埋め尽くされた外とは裏腹に
脳内か胸の内かどちらかもわからないごちゃついた色に意識を沈めてみる

困惑、懇願、怒り、虚しさ、寂しさ、混乱、寒さ

意識の周りはごちゃついているのに
意識の中では一本の線が引かれているだけで

なにも語らない

似ている、と思った
何が、かはわからない

本当に無いのか、見えないだけなのか
それとも見ようとしていないだけなのか

なにもないと受け取ったという事実と
目に見えている、或いは意識として感じている存在だけがそこに在る

特段違和感も心地良さも感じないけれど
それらの存在は今の自分に必要であると思う

と曖昧に確信する自分を横目に
本日初の食事である黄色のシフォンケーキと
焦茶色のコーヒーを気力の無い胃に流し込む

何度見ても外は白で

自分は色のない無だった

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