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自分の同人誌を自分で買った話

はじめに


この記事の内容は
新刊の在庫配分を間違え、手元の新刊が無くなってしまい、在庫確保のために委託書店で自分の本を買いまくった
というもので、今後に活かすべき教訓は

・増刷が難しい仕様の場合、必ず手元に新刊在庫が残るよう配分する

に尽きる。
また今回の事例は、委託した時に店頭にも陳列がある場合の話である。

以下、話の経過を連ねる。

▼前日談

迫る夏のコミケ、ギリギリまで原稿をやってる自分は8/6まで原稿をしていた。
今回の新刊は普段の2倍の厚さで、厚みがあるという事は家に在庫していると場所を取ってしまう。
極力、委託書店であるメロンブックスに預けて、手元に残すのは最小限にしたい。そんな事を考えていた。

昨今のコミケは人の流れを読むのが難しい。そこで自分は「来場者は少ないだろう」と予想し、委託書店へ多めに預ける事とした。
これが間違いの始まりだった。

▼コミケ当日

蓋を開けてみればコミケは好評であり、新刊を「完売」とする事ができた。

完売しそうな新刊

手元に残ったのは自分用の一冊のみ。
ところがこれは由々しき事態である。この後BOOTHで通販する分も無くなってしまったのである。
BOOTHと言っても自家通販のようなものなので、手元に在庫がないと発送する事ができない。

嬉しい悲鳴であった。結果として多くの方をお待たせしてしまった事は大変申し訳なく思っている。

▼メロンからの回収を試みる

当日の来場者が少ないと見積もったため、メロンブックスにはいつもより多めに預けていた。
細かい所は後述するので割愛するが、これの回収を試みることにした。
しかしコミケから2日、3日・・・メロンブックスに新刊が並ばないのである!

昨今とらのあなが店舗を大幅縮小するなど動きが激しい同人書店、結果としてメロンブックスに利用が集中し、発送等に大幅な遅延が発生した。

▼店舗にあるはずの在庫がない→通販でも注文

コミケから一週間ほど経過、メロンブックスのページを確認すると店舗に「在庫あり」の表示が出てきたので早速行ってみたのだが、本が見当たらない
並んでいないのである!店中を探しても見当たらない。店員さんもかなり忙しそうにしてたのでそのまま諦めて去った。

結論から言うと「新刊はまだ段ボール箱の中」だったようである。フォロワーさんからの報告で、ダンボール箱の中に入っているのを出してもらったと証言を得ることが出来た。
メロンブックスの店舗オペレーションもパンクしていたようである。

この時点で店頭からの回収に時間がかかりそうと悟ったため、通販の方でも注文する事とした。
前述のように発送の大幅遅延があり、また自分で買い占めると他の人が買えなくなる恐れもあり、避けたかったのだが、背に腹は代えられない。

▼ようやく店頭に並んだ!


コミケから二週間ほど経過。フォロワーさんからの報告で「店頭に並んでたよ!」と聞いたので、自分で回収に行った。

「同じ同人誌を一人で大量購入する」事は通常あり得ないため、会計時に「間違いではないですか?」と確認される可能性がある。
ので先手で「全部同じ本です」と言うと、スムーズに会計が進む。それ以上何も聞かれず黙々と会計してくれた。

▼通販で頼んだ本が来ない

ひとまず店頭から回収した分はBOOTH等で発送するも、まだ足らなかった。
先程通販で頼んだ分が一向に発送されないのである。気づけばもう9月である。

結果的には注文から発送まで約3週間待つこととなった。

メロンブックスでは、HPトップページの一番上で発送状況を案内しているのが通例の取り扱いであるが、これが実態と乖離していると話題になった。

ある日に確認した例

自分でも毎日確認してたが、表示される日時が急に遡るなど不安定な表示で、結果として掲示が取りやめられてしまった。

この【出荷済み】という表現、自分は「本が配送業者に引き渡されて、物流センターを旅立った」事だと思っていたのだが、自分の通販した分の動きを見ていると「入金の確認が取れ、出荷作業の行列に並んだ」タイミングのように思えてならなかった。
通常ならそれでもラグは少ないのだろうが、おそらくコミケの大量注文を捌く状況である。やはり不適当だったと指摘せざるを得ない。
メロンブックスについては普段から大変お世話になっているので、責める気には全くならないのだが、上層部が現状を把握し改善に動くことを切に願う。

他にも色々あったのだが長くなるので割愛する。全てが終了したのは9/20で、コミケから一ヶ月以上かかってしまった。


▼他の手段はなかったのか?

当然の考えだと思う。自分の本を自分で大量に買うのはバカなので、回避する手段があるはずである。

・増刷する

手元に無いのであれば追加で同人誌を刷れば良い、まず思い至る選択肢である。
しかし今回の本は「A5-72P」というページ数でさらに「本文は白黒だが、カラーページが少数混ざっている」という仕様である。

同人誌を作った事がある方なら分かると思うが、この仕様で少しだけ追加で刷るというのは、かなり高くついてしまう。
メロンブックスに預けた数量は減らない以上、過去の実績から勘案して追加分まで捌くのは難しそうだったので却下。

・メロンブックスから返品する。

前述の通り繁忙期であり、かつ基本的には預けてから一ヶ月は引き出せない。BOOTHの発送を考えれば、待機期間が長すぎてしまう。

▼どうすれば防げたのか?

次回以降の再発防止のため、どうすれば今回のような自体を防げるかを考える

・より最適な在庫配分をする

もう少し手元に在庫を配分しておくべきであった。自分の思い通りに動かせる「在庫」は正義である(ただし質量を伴う)

もっと言うなら、最初から通販用として在庫を家に直送すればよかった。それだけで良かったのである。
「コミケ会場用」「メロンブックス用」「家直送」である。

・通販在庫は最初から売らないようにする

実際にコミケの会場では、初手で(通販用)の本を分けて確保しておいたのである。
……が、12時くらいには在庫がなくなってしまった。その時点でコミケ終了まで4時間。

目の前まで「新刊ください」と来る人が居て、後ろに(通販用)在庫があるのに「完売です」と言うのは非常に心苦しく、出来なかった。

・早く入稿する

早割で入稿すればそれだけ財布にも優しい。今回の場合は「店頭の陳列遅延」も問題だったので、早めに動くことでこれを避ける事もできるだろう。
他の人の話を聞くと「コミケ前日~前々日には店頭に並ぶようにする」くらいでもいいらしい・・・
言うのは簡単だが、今まで全然出来てないのでどうだろうか・・・

▼知っておくべきTips


自分で回収する時は多めに在庫が廻る「大型店舗」へ行くべき。それ以外で買ってしまうと他の人が買えなくなるため。
(大型店舗とは、例えば秋葉原とか横浜とか大阪日本橋の事を指す)

▼おわりに

今回のコミケは来場者数を読むのが大変難しかった。
会場分の新刊は完売させる事ができたので、結果だけみれば「成功」であるが、在庫の管理を考えれば「大失敗」だろう・・・
高い勉強料を払うこととなった。
新刊到着まで長くお待たせする事となった件も本当に申し訳ない。

様々な手段で新刊を求めてくれる皆様の期待に応えられるよう、精進していく。
(C91からサークル参加してるのに、成長しないな俺は・・・)

今回の新刊:

シリーズ10作目で、ゲスト24名集めた超特大号(他の人からは「合同誌でしょ」と言われた)

以上


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