まるでダメ男
うすいさんの名文noteに刺激を受けて、勢いで書いてしまった。
小学校の時に、自分が自分に付けていたあだ名である。
小さい頃から背が小さいこともあって、幼稚園時代からリーダー格の相手にヘコヘコしていた記憶がある。
身体を動かすことも苦手だったので、ばっちり小学校ではイジメられ、持ち前の劣等感や自己肯定感の低さが育まれた。
中学受験組だったので、小学校では勉強は出来た。(学習分野を先取ってるから当たり前だ)
が、中学受験組の中では、うだつが上がらず。親に延々と続く怒られてた記憶がある。まさに、まるでダメ男、そのもの。
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運良く中学は私立に入れたが、ここで人生唯一の輝きを得た。
それが、成績によるクラス分け。毎回のテストで成績の上位下位それぞれ15%程度、クラスが移動するシステムである。
イジメられっ子でチビな自分でも、とりあえず勉強すれば、輝ける最高の環境!地頭は悪いので、トップのクラスには居続けることは出来ず、トップ2とトップを行ったり来たりしてた。
とりあえず理解はしないで、暗記だけしてれば何とかなるクラスではマシなレベルの大学にも入ることが出来た。
とりあえず暗記で乗り切る方法は、大学のテストやレポートとも相性が良く、クラスのトップ5くらいの成績上位者になれた。
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が、栄光はここまで。就職活動で、まるでダメ男の自分が再来する。とにかく落ち続ける50社?甘い甘い80社はエントリーした。
理由ははっきりしている。成績を上げることばっかり重視しており、やりたい事が特になかったのだ。
しかも、口下手で劣等感が強く、自己卑下するクセがある。
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とりあえず、適当な会社には滑り込んだが、社会人としての適性の無さから、ダメ社会人としての能力を遺憾なく発揮する。コミュニケーション能力も殆ど無いので、同期には見る見る追い抜かれ、ぽつねんと仕事をしていたことが多かった。
自己肯定感の低さがもたらすのは、失敗を異様に怖がる姿勢。もちろん挑戦をする事も無い。すなわち会社のイヌ🐶である。
おかげで、低評価を貰うこともないが、昇進することも無い。たまにちょっと良い評価を貰う。恐ろしくつまらないサラリーマンの誕生である。
誰も出たがらない学会発表に毎年出続けて、優秀賞を貰ったりと、少しだけご褒美を貰えたのは嬉しかったこともあるけど。
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親の病気がきっかけの、転職先のリーマン人生も同じ感じ。
若手や同期の昇進を横目に見ながら、誰かがやる必要のある誰でも出来る仕事をコツコツとこなす毎日。
仕事の継続のおかげか、高分子化学や高分子物理、有機化学やざっくりとした統計解析を身に付けたのは、ダメリーマンなりにラッキーだったと思う。
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10代の自分がみたらビックリする程つまらない人間な上に、社会人としてのキャリアに希望の無い毎日を過ごしている姿は、やっぱりまるでダメ男そのもの。そんな自分が嫌で嫌で仕方なかった。35歳までは。
が、最近かなり緩和してきたと思う。多分、自分への期待がジワジワ下方修正されたおかげなのかも。ダメな自分、社会人として大きく羽ばたくことのない自分。まあ、そんな自分でもアリなのかな、と。
大きな幸せは無くとも、筋トレでデッドリフトの荷重を上げる事が出来た時、ブラジル産の鶏肉を美味しく仕上げる事が出来た時、新しいカメラで写真を撮った時。色々な事で自分の成長を感じて幸せを拾う事ができる。(最近始めたnoteカメラ部の活動も楽しい!)
海外旅行、車、家、子供みたいな立派な大人が歩む道は、自分の先にはもう無い。ドロップアウトしたのだ。
多分自分が歩くのは、立派な道の横の荒れ果てたけもの道。その道にある落穂を拾うことで、日々生活する。
そんな生活になったのは悔しい反面、仕方のないことなのかな、と思うようになった。
もしかしたら、少しだけ大人になったのかも知れない。
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