【RX】3~4話
第3話「RX対風の騎士」
怪魔獣人はオルゴールがお嫌いの巻。オルゴール音(録音音源か?)とデジタル時計が付いたあのペンダント、初めて見るタイプのペアアクセサリである。当時は流行っていたのか?
怪魔界も昔は(その名に似合わず)緑にあふれ幸せな生活が営まれていたと語るクライシス大学のワールド博士。フロッピーディスクに収められたライドロンの設計図を光太郎に託してくれる。どうやら怪魔界も地球も記録媒体の規格は共通しているようだ。クライス要塞が自在に空を飛び回っているところから、持っている技術はクライシスの方が高そうにも見えるが、案外技術発展の道筋は同じようなルートをたどっているのかもしれない。
為政者の代替わりにより世界は荒廃し、諫めた博士は奴隷扱いに。学問は過去の叡智の結晶である。その学問と社会をつなぐための翻訳機あるいは依り代となるのが学者だ。博士の諫言をうるさがるクライシス皇帝は、怪魔界がこれまで積み上げてきた日常の幸福などなんとも思っちゃいないのである。
第4話「光の車ライドロン」
バトルホッパーちゃんが前作の最後で息を引き取りかけながらようやくぽつぽつと感謝の言葉を音声にできたのは非常に感動的なシーンであったが、此度のアクロバッターちゃんは普通にお喋りもするしなんならおふざけも言うのである。ライトを点滅させながらヘッドをふりふりするあの可愛らしいジェスチャーももちろん健在。バトルホッパーちゃん時代、ロードセクターさんにはやきもちも焼かず素直に並んで画面に収まっていたものだが、相手が光の速さで走る夢の車ともなるとアクロバッターちゃんも心中穏やかでないのかもしれぬ。とはいえバイクと車では求められる仕事も全然違うはずなので、アクロバッターちゃんには引き続き光太郎の一番の相棒として活躍していただきたい。ぶっちぎるぜ!
起動しないライドロンに悩む光太郎が頼ったのは、かつて鯨怪人が自らの看病をしてくれた聖なる海の洞窟であった。あの時は主に鯨怪人一族に代々伝わる生命のエキスが仕事をしたのだと思っていたが、洞窟自体が聖地であったとは。もはや鯨怪人はこの世におらず、引き継ぐ一族の後継者もいないため、堂々と車を運び込んだところで誰にも文句は言われまい。そしてライダーのため命を張った鯨怪人の遺志に従うかのように、聖なる洞窟はライドロンへ命を与え、自壊する。鯨怪人に助けられっぱなしの光太郎である。海を守ってほしいという彼の遺言を全力で守ってくれるよう期待したい。
『BLACK』アイドル回でも若干片鱗を見せていたが、光太郎は元来、育ちがよくて素直で明るい青年なのである。だが杏子ちゃんや克美さんの手前、信彦の分まで「頼れる兄」であろうとしていたのだろう。また、一刻も早く信彦を助け出したいという思いが常に胸中にあったため、ゴルゴムの一挙手一投足に気を張り詰めていたという事情もあったかもしれない。
杏子ちゃんや克美さんがアメリカにわたり、信彦もシャドームーンとして散った今、光太郎には強がらなくてはいけない理由がない。ある意味ではこの状況になって初めて、光太郎はのびのびと自分自身を取り戻すことができたのだろう。
ガテゾーンさん、推せる。
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