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【感想】『仮面ライダー4号』

 配信ドラマというくくりになるのだろうか、『仮面ライダー4号』を見た。本作は映画『仮面ライダー3号』の後日譚に当たり、『3号』自体は何度か見たことがあったのだが、『4号』のほうは何となく伸ばし伸ばしで見損ねていたのだ。dtvにも加入していなかったし。
 先日までプライムビデオの「東映オンデマンド」を契約しており、そのラインナップにあったのでようやく重い腰を上げたのである。結論から言うと、今のタイミングで見たのは大正解であった。というのも、この作品がタイトルに『仮面ライダー4号』を冠しながらも、予告に出ていたスカイライダー風のライダーでも、もちろんライダーマンでもなく、『ファイズ』をその主軸にしているからだ。『ファイズ』未履修だった過去の自分がこれを見たところで、話の内容はそこまで深く理解できなかったかもしれない。まったく、TTYO様さまである。この調子でどんどん履修していきたい所。

 巧が「二度目の生」を受けたのはどのタイミングだろう、とぼんやり考えていた。『平成ライダー対昭和ライダー』の巧と『仮面ライダー3号』の巧は少し似通っているように思えるので、もしかしたらそのあたりなのかもしれない。あるいはディケイドが世界の理を破壊したときに、彼の命も世界とともに再生されたのか。

 夢が出来たと喜んだ途端にこれですよ。おつらい。

 土手でのシーンでは黒いメッシュのネットがカメラを遮り、『ファイズ』最終回を彷彿とさせる。透け感のあるその布は喪服のフェイスベールも連想させるが、切れ間から見える巧たちの様子は至って穏やかだ。巧が自ら引き金を引いた二度目の死は、「笑って死んだ」という一度目とは状況も何もかも違うけれど、彼の人生の集大成であるという点では等しく価値を持つのかなとも思う。巧にとっても、海堂にとっても。

 来年公開の『パラダイス・リゲイン』と、これらの番外編とも言える映画たちがどれほど繋がっているかはわからないが、いち観客としては心して待つばかりである。楽しみです。

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