【RX】第41話~第43話
第41話「百目婆ァの恐怖」
クライシスは空港基地を建設中。植民地計画のための欠かせない施設ではあるものの、光太郎たちのゲリラ活動によってすぐ壊されてしまうため次々に作り直し、イタチゴッコの様相を呈しているようだ。ガテゾーンも一応出場はしたもののそこまでの深追いはせず、さっさと要塞に帰還している。さっさと別の場所に作り直した方が効率的という判断か。
寿命はともかくとして、美や若さを保つためにはいたいけな乙女を犠牲にせねばならないのがお約束である。生き血を浴槽にためて浸かるなどの方法が一般的だが、百目婆ァの場合はまるごと取り込んで吸収できるらしく無駄がない。地球にやってきてハシャいでいるところを見るに、普段はクライシス世界に住んでガールハントを行っているのだろう。いずれの世界にあっても迷惑な存在であることに変わりなし。
続きものの宿命としてどうしても前作と比較してしまいがちなのだが、『BLACK』終盤の光太郎が鯨怪人すら亡くしてひとりぼっちで戦っていたのに対し、『RX』の光太郎には心強い仲間が揃っている。しかも彼らは光太郎に守られるばかりではなく、一緒に戦うと言ってくれるのだ。再びひとりぼっちになることを何より恐れていた光太郎にとって、ジョーや玲子、響子の存在は精神の頼もしい支えだ。だが、それは同時に彼のアキレス腱にもなりえる。
10人もいると個性を出すのも大変。せめて複数文節からなる台詞であればいろいろアレンジの効かせようもあろうが、同意の一言に自分らしさを出していくのはなかなか厄介だ。見た目だけなら見事にばらばらなのだが……。
第42話「四隊長は全員追放」
皇帝陛下の最終時計は透明な三角錐で、頂点から薄赤色の液体がぽたりぽたりと滴っては溜まっていく仕組み。やがて液体が三角錐の内部をすべて満たしたとき、ジャーク将軍らにはあまねく死が訪れる。せっかく進めている移民計画の現場責任者をこの土壇場で処刑しようとなさるとは、皇帝陛下、よっぽど腹に据えかねているようである。
ゲドリアン・リトル、もといゲドルリドルは、ゲドリアンが自らの細胞を用いて培養・育成した最強の怪魔異生獣である。エナジードレインで強くなるゲドルリドルは、キングストーンフラッシュですら吸い込み、自らの力へと変えてしまうことができるのだ。ここぞというときの奥の手を封じられるのはさすがに痛い。
自らを弑さんとするガテゾーンやボスガンの目を潜り抜け、クライス要塞のエネルギーをゲドルリドルに浴びせかけることで本懐を遂げようとするゲドリアン。完全なるハイジャック、ジャーク将軍への間違いない反逆行為ではあるが、クライシス皇帝にとってはその様子が忠実さの表れに見えたようだ。ジャーク将軍ら、よほど皇帝の信頼が無いようである。丸1年かけて目ぼしい成果を何一つ挙げられていないのだから、当然と言えば当然。
第43話「敗れたり!! RX」
ガテゾーンはまず見た目が格好いい。ミリタリーな服装にミスマッチなメカっこいい頭部、大型バイクとレトロな銃で戦う姿もクールだ。一匹狼に見えて案外付き合いもよく、仕事への意欲もそれなりにある。
前話でゲドリアンが命を落としたため、これは順々に残りの四大隊長もフレームアウトしていくのだろうとは思っていたが、実際その時を迎えるとやはり寂しさがある。デスマダーと手を組んだガテゾーンはジャーク将軍の指揮下を抜け、RXに最後の勝負を挑む。特別仕様にチューンナップした愛機や最強の怪魔ロボットも投入し、善戦を見せたのもつかの間。最後はRXもろとも自爆しようと試み、しかしRXの脅威の固さにより失敗してしまうというあっけない終わりを迎えてしまった。ジャーク将軍のもとでじり貧の現状に甘んじていればもう少し長生きできたかもしれない。だが、ボスガンやマリバロンとの小競り合いの中にあっては、あそこまで捨て身でRXと戦うことも出来なかったのではないだろうかと思う。
どうやらキングストーンは、光を練ってリボルケインを発生させている時間帯が一番無防備なようだ。実地でやみくもに倒すのならばとともかく、付け入るのならピンポイントでそのタイミングを狙うほかない。
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