【トッキュウジャー】26~30話

第26駅「銭湯で戦闘開始」

 ここがリバイスの世界か……などと呟きつつ、銭湯回である。舞台となるのはしあわせ湯よりもずっと小ぢんまりとした町場の銭湯。経営難と理不尽なコンサル料の取り立てにより、今にも廃業を余儀なくされているところだ。
 銭湯に立ち寄ることを至上の楽しみとしている明は、この窮状を見過ごせないと動き出す。カグラやトッキュウジャーの面々も全面的に協力する。変身姿の客引きと入湯料の思い切った値下げにより客足は盛況だが、売上金額は雀の涙だ。
 とうとう丸ごと移設を敢行しようとした明とカグラだが、持ち上げた銭湯の建物の下には大きな闇溜まりができていた。これこそ経営難の原因であり、コンサルに扮したコインシャドーの真の狙いであった。

 頭脳派を自任するコインシャドーVS銭湯への愛だけで動く明とカグラ。粛々とした理性を強い感情が凌駕するのは、いかにもイマジネーションを信条とするトッキュウジャーらしい。
 闇溜まりは地脈の影響で生まれるようだ。いわゆるパワースポットの逆で、元来光も闇もなくフラットであるはずの地脈が、凝ることによって闇の力を溜めこんでしまう。

 おいでよせんとうの沼(湯舟?)。


第27駅「新たな力を」

×ダークタウン 〇シャドータウン

 トッキュウ6号、乗り換えてザラム。レインボーラインからのエネルギー供給を受けていないため、彼だけはシャドータウン内でもいつも通り戦うことができる。ただし6号として戦う際にかかっていたトッキュウジャーブーストは機能せず、今の彼は身一つのザラムである。
 考えると、シャドータウン内のトッキュウジャーが変身を持続できないのに対し、シャドーライン側の方々はレインボーラインの領土=いわゆる普通の街中で、特にエネルギー切れを起こすこともなく戦い続けることができている。あるいはそもそも、姿かたちをそのままに戦う彼らには、シャドーラインからのエネルギー供給などないのかもしれぬ。その状態でトッキュウジャーと渡り合うのだから、各々のポテンシャルがよほど高いようだ。

 ノア夫人の爵位について、おそらくは飲み込んでしまった配偶者の地位を引き継いでいるのだろうが、侯爵よりは下、ネロ男爵とは同じかもしくは少し上、というイメージ。


第28駅「カッコ悪いがカッコ良い」

 トカッチ本人は「皮肉を言ってしまった」とだいぶおろおろしていたが、見ているこちら側からすれば「それは皮肉だったのか」と言われて初めて気づくような、些細な揚げ足取りである。だが、失言ではなく故意の発言であることは、発言時のトカッチのもったいぶった仕草からもよくわかる。前々からずっと思っていたことをとうとう口にしてしまった解放感と、柄にもなくひとの欠点をあげつらってしまったことへの後悔。だが、きちんと謝れるのがトカッチのいいところだ。


第29駅「対向車との合流点」

 あるいは、グリッタの恋が成就するためには、一度理不尽にシュバルツの前から奪い去られるという工程がどうしても必要だったのかもしれない。命がけの献身と報われない愛情によって、グリッタはシュバルツの中で永遠の乙女と化す。

 当初から一匹狼だった将軍。腹心の麾下も持たず、望みと言えば最強の烈車軍団を作ることばかり。そんな将軍の求める「仲間」はやはり生きた人間ではなく、新たな烈車であった。いやはや、すっかり騙されてしまった。


第30駅「誕生日のお祝いは」

 夢の中でミオの誕生日を知ったカグラが、サプライズパーティーのために頑張るお話。ごちそうのメインはワゴンさん特製ローストチキン。そしてケーキはカグラのお手製である。
 一方のミオたちはウィッグシャドーに苦戦する。鳥の巣ヘアーに乗っかったひよこちゃんが力尽きるとき、宿主もまた命を落とすというのだ。急遽始まる育児生活。動物好きの明やトカッチなどは名前まで付けて、案外エンジョイしているようである。
 愛情あふれる世話の甲斐あって、ひよこちゃんは無事にわとりへ育ち、巣立っていく。籠の中ならぬ髪の中の鳥としてかいがいしく育てられたわりには、だいぶフィジカル強めに成長したにわとりたち。敵を蹴散らし走っていく姿に、昔プレイしたゲームを思い出した。進め方がよくわからず、いたずらに画面上のにわとりを剣でつついていたら、突然大量のにわとりが画面を覆い尽くし、プレイヤーに総攻撃をかけてきたのだ。……正直、少々トラウマになった。

 カグラたちの日常生活の一端が明らかに。てっきり寝台車で寝ているとばかり思っていたら、案外普通に天蓋付きのベッドが置かれ、まるで小さな個室のような雰囲気である。他の面々のプライベートスペースがどんな感じなのか見てみたいものだ。明のはなんとなく想像がつくが……。

 猫を飼おうとしていた前科があるし、いつか本当に動物を飼育しだすのではないかとはらはらしている。ただでさえ操縦席の情報量は多いのに、さらにそこに猫だのひよこだのがうろうろし始めた日には、もう微笑ましすぎて戦いに集中どころではない。

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