見出し画像

【オーレンジャー】第45話~第48話(完)


第45話「壊滅!! 超力基地」

 オーレンジャーたちはあんなに苦労してロボエアロビをしていたのに、此度の巨大ロボたちは滑らかかつノリノリで踊りまくる。人力制御と素粒子制御の精密度合勝負では、どうしても機械側に軍配が上がってしまうのもやむを得まい。

 倒れている職員たちを助けることもできず、ミキオの背を押すようにして悔しそうにロボのもとへ走る参謀長の姿が印象的。非常事態であることをいやがおうにも実感させられる。


第46話「地球最期の日!!」


第47話「立て輝け甦れ!!」

 ドリン、生きていたのか! 「故郷に戻る」が本当に文字通り、休養のための里帰りであったことに一安心。

 参謀長もご無事で何より。

 かつてバッカスフンドはブルドントやヒステリアを作り上げて己の家族としたが、ブルドントとマルチーワの間の子どもはやっぱり二人が手ずから組み上げたのだろうか。出産機能がマルチーワに搭載されているかは定かでないが……。
 ブルドントがわざわざ自分の世継ぎたる「子ども」を設けたのは興味深い事実である。彼はきっとバッカスフンドと自分の関係を再現しようとしているのだ。バッカスフンドとブルドント、ブルドントとベイビーの間に人間のような血のつながりはないが(もしかしたら潤滑油のつながりくらいはあるのかもしれないが)、だからこそ王家はより家族らしく振る舞うことで、王位の継承者を内外にアピールしていかないといけないのかも。そして、バッカスフンドやヒステリアと家族らしく過ごした時間は、人間の情愛を嘲笑していたブルドントにとってですら、そう悪いものではなかったのだろう。


第48話「愛の勇者たち」

 地球を支配するため、一年かけて人間をつぶさに観察し、より人間の情動に訴えかけるような作戦行動を展開してきたバラノイア帝国。それを最前線で眺め続けてきたブルドントは、自分自身も少なからず人間らしい価値観に染まっているように見える。かつては使い捨ての騒音兵器扱いしていた人間の赤ん坊に、いまブルドントは人質としての価値を認めている。それは、人間たちが赤ん坊を大切にする生き物であると彼が学んだからだ。その知識の無意識での反映が、ブルドント自身のベイビーの存在なのではないだろうか。
 ただ、ブルドントたちは親子の愛をあと一歩のところまで学習しつつ、それを完全に体得するところまでは至らなかったようだ。かつてバッカスフンドとヒステリアは、自分たちの乏しい生命エネルギーを傷ついたブルドントのために捧げた。ブルドントに後を託すため、文字通り命を懸けたのだ。だがブルドント夫妻には、ベイビーを死に物狂いで守ろうという気迫は無い。彼らは祖母であるヒステリアにベイビーをまかせて出陣し、そのまま散ってしまうのである。

 ベイビーを守るため、ヒステリアは己の命を差し出した。戦うエネルギーも残っていない彼女が、最後に唯一隠し持っていた必殺技である。
 ただ、ヒステリア自身は別にみじめというわけではない。自分に出来る精いっぱいのことをやって、最大の目的を達成しただけである。まるでマシンらしからぬ捨て身の訴えは、確かに人間たちの心を動かすことに成功した。

 かくしてバラノイア帝国の脅威は完全に消え去り、地球には再び平和が訪れる。
 ラストにこれまでの場面カットがいくつか映し出されるが、吾郎と赤ん坊の2ショットが選ばれているのは偶然ではないだろう。人間が赤ん坊をいつくしむように、マシンもベイビーを愛する。共通点を見出すのは相互理解の第一歩である。いつか遠い未来、再び地球にやってきたガンマジンの目の前で、マシンと人間が握手を交わすような日が来るのを願わずにいられない。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?