【RX】5~6話
第5話「洞窟探険の落し穴」
子どもたちだけで洞窟探検に出かけるという茂。母は当然のように心配するが、茂自身はへっちゃらである。一応食料やヘッドライトなど準備してはいるが、服装は普段着のような軽装だ。「洞窟」と言っても子どもの発言で、実際はちょっとした穴ぐら程度なのかも……と思いきや、向かった先は思いのほか本格的な洞窟である。たまたまフィールドワークに来ていた大学教授と玲子を伴い、探検隊は洞窟の中に足を踏み入れる。ところで野鳥観察の最中に大声を出すのはご法度ではないか。だが教授は一向に気にした様子がないし、さっさと撮影を切り上げてわくわく洞窟へ向かってしまう。鳥の観察はおまけで、元々はもっと別の調査をしていたのかもしれぬ。毒蛾の血清を研究のため持っているくらいだから、教授の本当の御専門は虫の類だったりするのだろうかと妄想。
光太郎が玲子に持たせていたのは、携帯電話? 無線機? どっちだろう。管制塔とすぐにつながるから社用の通信機器であることは間違いなさそうだ。研究室から運ばれてきた血清を積み込み、光太郎のヘリは一路玲子たちのいる洞窟を目指す。ガイナガモスの妨害によりヘリは道中で大破したが、命には代えられない。ただまあ、社長はあとで真っ青になるだろうが……。クライシスによる事故に保険は効くのだろうか。
突如現れたマグマの海にひやりとしつつも、RXはガイナガモスを撃破し、玲子は光の中にそのシルエットを垣間見る。正体を知られてはいけない縛りがあるため、光太郎はことさらひょうきんに玲子の言葉を否定する。『BLACK』の時には「ライダーの友達」ポジションにうまいこと収まっていたが、今回は念を入れて、RXと自らをつなげそうな要素を確実に排除せねばならないのがつらいところだ。
今話の冒頭、光太郎は遊覧ヘリのパイロットを務めていた。バイクと違ってヘリは必ずヘリポートから飛び立ち、またポートへ着陸せねばならない。まして客を乗せた遊覧ヘリは、定刻通りに元のポートへ帰還することが絶対条件だ。『BLACK』の最終回でどこへともなく走り去った光太郎が、今では「帰る場所」のある仕事をしていて、やっと彼も地に足をつけることができているのだなと感慨深い。
第6話「怪魔ET大暴れ!」
キュルキュルテン、ETよりもむしろギズモ/グレムリンを連想させられる。現代の真夏の東京とかに産み落とされなくて助かった。灼熱コンクリートジャングルでは即孵化待ったなし。
個体の位置こそ把握しているが、何をやっているかまでは気づいていない様子のクライシス御一行。一匹ずっとボール遊びしてますよ。
若木をへし折るシュートの威力を見れば、茂少年がしぶしぶ付き合わざるを得ないのも致し方なし。子ども同士のカツアゲとは次元が違う。
だが、機転を利かしてキュルキュルテンを追い払ったことが茂の自信につながったのは確かだろう。最終的にはカツアゲも拒み、小突かれながらもお金とプライドを守り切ることができた。一度芽生えた自信は、使えば使うほど成長していくものだ。がんばれ茂少年、君の未来はきっと明るい。
ときにキュルキュルテンは拠点建設の労働力として大量投下(未遂)されたわけだが、前回のガイナガモスも光る幼虫を無数に育てていたし、どうも人間の身体を使って仲間を増やすのがクライシス帝国内のトレンドらしい。敵の駆逐と味方の増量が同時にできて一石二鳥。なお、人間一人一人に植え付けていかねばならない手間が最大のデメリットである。
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