【トッキュウジャー】夏映画

「烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS」

 年末年始でタイミングよく特別公開されていた物をしめしめと視聴。
 人類のイマジネーションが宇宙へ羽ばたいていた頃、レインボーラインが宇宙へ到達し誕生した、銀河を走る路線・ギャラクシーライン。なぜか動物モチーフの烈車はシャドーラインに追われ地球へ単身墜落し、空へ戻れなくなってしまう。あるべき場所に戻りたいという車掌・レディの気持ちに共感し、ライトたちは烈車を宇宙へ打ち上げるために動き出す。だが当然シャドーラインも黙っておらず、宇宙方面担当のナイル伯爵はトッキュウジャーもろともギャラクシーラインを潰そうと行動を開始する。

 当初は気を失ったライトのイマジネーションを使って宇宙に帰ろうとしたレディ。ところで、宇宙に帰った後ライトをどうするつもりだったのだろうか。ポイ捨て?
 レディ曰く、空を見上げず手元ばかりを見るようになった地球人のイマジネーションは減る一方であり、その責任の一端はレインボーラインにもあるとのこと。どういう理屈かと首をひねったが、まさかトッキュウジャーがシャドーラインを倒しきれていないことを言っているのか。確かにシャドータウンが増えれば闇が地球を覆い、イマジネーションも減少するとは思うが。
 自分も追われてきた割になかなかきついことを言うレディ。だが、運行の遅延ばかりを気にし、ライトや地球人のイマジネーションを信じることができなくなっている彼女自身もまた、己のイマジネーションを少しずつすり減らしていた。ライトに指摘され、彼女は初めてそのことに気づく。
 車掌さんの作った虹のおかげで人々は空を見上げ、イマジネーションを広げた。その力がレールとなり、ギャラクシーラインは再び宇宙へと走っていく。空を行く電車の話をしていた子どもたちのみならず、周りの大人たちからもキラキラのイマジネーションが溢れている。これが虹の持つパワーだ。シャドーラインの者であったザラムをして、レインボーラインに寝返らせるほどの力だ。空に七色の橋がかかっているのを見ると、いかな大人でも楽しい気持ちになってくるものだ。
 レディが次に地球へ接近するのは25年後だ。パペットを唯一の友として、彼女は孤独な運行に戻る。だが、もうレディが自らのイマジネーションを見失うことは無い。虹を見上げる人たちのイマジネーションのきらめき、あたかもギャラクシーラインに向けられたかのようなたくさんの輝く瞳を、きっと彼女は忘れない。そしてライトたちも、宇宙を走るその烈車のことを忘れたりしない。

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